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「おい、アミ」

「あ、お師匠様」


そこへ、黒いローブを羽織ったお兄さんが入ってきた。
お兄さんはあたしをちらっとみると、不思議そうな顔をする。


「黒猫? どっからつれてきた? こんなの」

「モカちゃんと言うんですって。とっても可愛いんですよう」

「お前まさか……」

「えっと、実はお父さまとお話していて、教えてもらって。……その、使い魔さんを呼んでみたんです」

「使い魔を制御できるほどお前は色々使いこなしてねーだろ。まず自分の魔力をちゃんとコントロールできるようにならねぇと駄目だ」

「えー、とっても可愛いですのに」

「駄目だ。自分の能力をよく考えろ!」


お兄さんは忙しいのかそのまますぐ出て行っちゃった。
あのローブの色。あたしの色と一緒だ。ちょっとシンキンカン。


「……怒られてしまいました」

アミちゃんがシュンとしてるから、あたしはアミちゃんの手をぺろりと舐めた。

「慰めてくれるんですか?」


アミちゃんが、あたしを撫でてくれる。
ああとっても気持ちいい。



「モカちゃん、私とずっと一緒に居てくれませんか?」

あたしを覗き込むアミちゃん。
うーん。アミちゃんのことは好きなんだけど。


「でも、ミネちゃんがきっと待ってるから」


ずっと一緒って約束した。
今はカタセくんがいて、イラつくことも多いけど。
ミネちゃんはあたしのこと、絶対にいらないって言わないもん。



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