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でもアミちゃんはまだまだ頑張ろうとしてるみたい。
あたしを見て、手を伸ばしてきた。
「モカちゃん疲れちゃったんですか? 私でよければ抱っこしますけど」
「はあ。うんでも。アミちゃんも疲れたでしょ」
「そうですねぇ。ちょっと一度家に帰ってお休みしましょう」
ふらふらとアミちゃんの家まで戻る。何か工事してるみたいでうるさいの。
あたし、ドンドンいう音は苦手。それにさっきのおじさんにも会いたくないなぁ。
「ねぇ、アミちゃん、さっきの変なおじさん、まだいるかなぁ」
「お父さまの事ですか? 今はお仕事してくれてますよ。私たちの寝室を作ってくれているのです」
「じゃあいないね。よかった」
ほっとして、アミちゃんと一緒におうちに入る。
「ミルクでいいですか?」
「うん」
アミちゃんがお皿にミルクを注いでくれる。
あれ、アミちゃんのおなかになにかいる。
キラキラ光って見える。
あれはなに?
「アミちゃん、おなか」
「あ、わかりますか? えへへぇ。おなかに赤ちゃんが居るのですよ」
「赤ちゃん? じゃあアミちゃんはママなの?」
「そうですね。この子が生まれてきたらそうなりますね」
コトンと置かれた皿。
ぴちゃぴちゃ言わせながら舐める。
うん。おいしいおいしい。
ミルクだーいすき。
「モカちゃん、ちょっと汚れましたね」
アミちゃんが、タオルを持ってきてくれて拭いてくれる。
あれ、なんかすごーく気持ちいい。
つるつるのピカピカ。
お風呂に入ったときより綺麗。
ママの舌で舐めてもらったときみたい。
あたし、お姫様みたいになったかも。