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「ふみゃーん」


ぐるぐるぐるってドンドン回っちゃうから。
あたし、ふらふらになって目の前が真っ暗になって。
その後は知らない。

多分、倒れてしまったんだと思う。


――――……

「え? ネコちゃん?」


その声はなんだかかわいらしかった。ミネちゃんより高い声。
目を開けると、変なおひげのおじさんとミネちゃんより小さい女の人があたしをじっと見てた。

え? あれ?
なんで? さっきまで夜だったのに。
何でここは昼なの?


「かわいいー」


女の人が何か言ってる。
ミネちゃんみたいなふわふわの髪が揺れてる。
にゃー。尻尾がむずむずするー。


「みゃーおん! みゃーおん!」


ねぇねぇ、ここはどこ?
あたし、ミネちゃんの所に帰らなきゃ。

女の人は変なおじさんとお話してる。
なんか、このおじさん怖い。
無駄に動きが大きくって、次に何するのかさっぱり分からない。

やがて、女の人があたしの目をじーっとみた。
そしたらね。またチカって光った感じがした。


「はじめまして。私はアミです。あなたはお名前はあるのですか?」

「みゃーお」


アミちゃんっていうのね?
あたしはモカよ。

その瞬間、おひげがビビビってした。
何かが変わったみたいで、アミちゃんも不思議そうな顔してる。


「え、えと?」

「ねぇ。ここはどこ? お月様見てただけなのに、どうしてあたしここにいるの? これ夢?」


あれ?
あたし、人間の言葉を話してる?




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