3
「みゃー」
ごめんなさいね?
ちょっと失敗。
そう言って見上げると、黒い髪のおじさんが目を丸くしてあたしを見てる。
「にゃおん」
ごめんね。おじさん。
そんなにびっくりしないでよう。
「なんだ。猫か。でも、黒猫か。……なんか不吉な」
「みゃ」
あ、また黒いからダメって言うのね?
ニンゲンって変。
黒いと何がダメなの?
あたしと一緒に生まれたお姉ちゃん達、何にも変わらないよ?
色だけ。
皆は、ママと同じ三毛猫だったけど。
あたしはパパと同じ色だったってそれだけ。
「でも、声が可愛いな」
おじさんは、そう言ってあたしの前にしゃがみこんだ。
おじさんの髪の毛も黒いじゃない。
あ、でも。白いのも混ざってるわね。