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「奈々子ー。何してんのー!!」


公園の入り口から、二人の女の子の声。

あ、いつもの3人組がそろっちゃった。
また触られたら嫌だなぁ。


「モカちゃんと遊んでたの。二人ともそろばん終わったの?」

「終わったよー。一緒に遊ぼう?」

「わあい。モカちゃんに会えるなんてラッキー」


そろそろと逃げようとしたのに、行く手を塞がれてしまう。


「かわいー」


撫で撫でする3人の手。

撫でられるのは嫌いじゃないけど。
暑いのよ、夏は。

なんとか3人の手から逃げられたころには、なんとなく毛並みがベタベタになってしまった。


もうなんてことしてくれるの。
帰ってじっくり舌でお手入れしなきゃ。


今日は何だか、あんまりいい事なかったなぁ。


でも、全然話は分からなかったけど

「ありがとう」って言われるのは、ちょっとだけいい気分。


そう考えると、ちょっとイヤだった時間も、良く思えるから不思議だよね。


【fin】





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