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そんな事を考えていたら、公園の入り口に着いた。


「あ、ネコ」


男の人の声でそう言われて、驚いて顔をあげると、そこには噂のセイシロウくんが!


「みゃー!!」


慌てて駆け出して、草に隠れる。


「なんか逃げられたみたいだな」


そう言って、でも追っかけてくる訳でもなく、セイシロウくんはまた道路の方を見ていた。

なんだ。
そんなに怖い人じゃないのかな?

おずおずと、草の陰から覗いてみる。

遠くを見る横顔はとてもキレイ。
危険な人じゃないなら、仲良くしてあげてもいいのに。

でも、なんか時々、セイシロウくんの顔がにやける。
そんな時は、毛が逆立ってしまうのは何故だろう。


「にゃーお」


ちょっとだけ、声をかけて見る。
でも、ちょっとだけよ?


「ん?」

「にゃー」

「お、鳴いた」


今度は爽やかに笑った。
ああ、なんか。嬉しいかも。

思わず尻尾が勝手に揺れちゃって、あたしの興奮を皆に教えちゃう。





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