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ぴちゃぴちゃ。

道路に落ちた雨がはねて、
お腹の辺りが濡れていく。


ああ。
ミネちゃんに怒られちゃうなぁ。

でももう濡れちゃったんだから、今更仕方ないわ?

塀の上にジャンプして、更に屋根へと向かう。
ここからベランダに飛び移れば大丈夫。

滑る足元に注意して、なんとかベランダに着地。

ああ良かったぁ。

そう思ってふうと息をつくと、ベランダがすごい勢いでガラッと空いた。


「モカちゃん! どこ行ってたの。心配してたのに!」

「みゃー!!」


ミネちゃん!
もう帰ってたの。今日は早くない?


「ああもう、泥だらけ。タオル取ってくるから待ってて」

「みゅー」


ベランダで、大人しくミネちゃんが戻ってくるのを待つ。
お空は暗くなってきているけど、今日は雲が一杯でお月さまは見えそうにない。


「ホラ、じっとしててね」

「にゃーおん」


ミネちゃん。

今日ね。雲を作るおじさんに会ったんだよ。

凄いよね。
ミネちゃんにも見せたかったなぁ。


「うーん。やっぱり綺麗にならないからお風呂だ」

「にゃーにゃー!!」


それはイヤー!!


頑張ってそう言ったけど、ミネちゃんにつかまっちゃったらもう逃れられない。
がっしり掴まれてお風呂へと連れて行かれるあたし。


ああ。
シャワーは嫌い。

雨の日なんて、嫌いよう!




【fin】





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