臨也さんがオムレツを食いたいと暴れ出した。とりあえず飛んでったキーボードのPボタンを捜さないといけなくなった。
「正臣君オムレツー!食べたいから作ってよ!はーやーくー!!!!」
「だぁー暴れないで下さいようざやさん!!」
さっきっから暴れん坊上司に成り下がったダメな大人代表を恨みつつPボタン救出完了。端っこが微妙に欠けてるけど…まぁいっか。ズボンのポケットにPボタンをしまって臨也さんに悟りを開かせることにしよう。
「いいですかダメ人間」
「うらさい早く作れよ。大人に逆らうな」
「こんな大人になんか従いたくないんすけど!?」
ばんばんと机が辛そうに悲鳴をあげる。椅子も臨也さんが前後に船を漕ぐからギシギシと可哀想に叫んでいる。
「オムレツオムレツー!」
「うるせぇえええ!作ればいいんだろ!?作ればちくしょう!」
負けた、とよくわかんない気持ちを胸にエプロン片手にキッチンに入る。この前掃除したときよりごちゃごちゃしてないか?なんだこの鍋の山。どこにこんなに大量の鍋隠していやがった。
「…臨也さん…なんで台所こんなに汚れてんですか…」
「オムレツ作ろうとして失敗した」
じろりと睨めば開き直ったようなドヤ顔で返された。開き直るなこら。
掃除すんの誰だと思ってんだ。
「はぁー…卵ありますよね?」
「たくさん買ったからそれは大丈夫」
臨也さんは見た目器用そうなのに(実際器用だけど)何故か料理が出来ない。空想論ではとても上手く料理が作ることが出来てるのに。
「正臣君も食べるよね!2つ作ってよ!」
「わかりましたから椅子に座っててください。邪魔です」
「えーやだ★」
「…死ね」
「聞こえてる!正臣君聞こえてるからね!?」
きゃぴん★とウィンクをした臨也さんをどうにかキッチンから追い出し、冷蔵庫を開けて。
「………っ」
見なかったことにした。
「臨也さん…」
「んー?」
「なんで冷蔵庫の中にスポンジとフライパンとたわしが入ってんすか…」
「え、だって場所が無くって」
だめだった?
ちょっと一発殴って良いですか。
「……臨也さん今後キッチンに入んないで下さい。キッチンが可哀想」
「えっ!?なんで!?」
もう臨也さんを無視して卵を六個取り出す。微妙に割れているような気がしないでもない卵をボウルに入れてかき混ぜる。
その後何回か下味をつけるためにいろいろいれて冷蔵庫の中で冷えたフライパンを取り出した。
じゅわじゅわと良い音を奏でながら卵に色が付いていく。
懐かしいなぁ、こういうの。
母さんが振り返りながら俺を見て、笑いながらフライパンをひっくり返してた。
記憶のと重ね合わせてフライパンを勢い良く引く。黄金色の卵が宙に浮いて鉄の塊の上に戻った。
「おぉーさすが正臣君」
「今時の男子はこんぐらい出来ないともてないっすから」
もう一つをかき混ぜフライパンに入れる。形を作り出しながら固めて、ひっくり返した。
我ながら完璧じゃないか、これ。
皿に移してテーブルにのせる。ついでにケチャップを持って行ったら臨也さんが目を輝かせていた。
「ハートマークとかはつきますか!?」
「当店ではそのようなサービスは承っておりません。失礼します」
ふんわりしたオムレツには罪がないがせめてもの腹いせに、とうざやさん禿げろ、と書いてやった。それでもにこにこと嬉しそうな臨也さんに何だか毒気を抜かれて仕方なく椅子に座る。
「いただきまーす」
臨也さんが年甲斐も無くフォークを使ってオムレツを頬張っているのを見るのはかなり楽しい。し、作りがいがあるってものだ。
「あれ正臣君食べないの?」
「えぁ、食べますよ」
きょとん、とフォークをくわえながら臨也さんが俺を見た。けれどすぐに視線をオムレツに戻して食べすすむ。
食器がぶつかる音と時計の針が進む音しかない静かな空間。
ふいに臨也さんがふっと笑った。
「正臣君可愛いなぁ…口についてる」
「え、マジすか…あ、お約束はいらないんで」
「うえぇー」
「と、言いたいとこですけど…今日ぐらいは別に…やってもいいっすよ…」
相変わらず素直じゃないなぁと臨也さんが笑って体を突き出して俺の口元をぺろりとなめた。
「……好きです…臨也さん」
「知ってる」
今度は俺が臨也さんの唇にキスを一つした。








俺の嫁こと高橋様がなんと4万打したということなのでそのおめでとう小説を書いたんだ^p^
出来は聞くな。
いいな?くれぐれも出来は気にするなよ←
それと併せて臨也さんのHBDの小説です













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