※倉南
※よくわからないモブ教師が出ます


「せーんぱい」
「あ?倉間、何してんの」
「先輩見てましたけど」
でへっ、と締まりない顔で倉間は言う。普通にしてれば格好いい、というか可愛い顔なのに何故か俺に付きまとう。嫌じゃないけど、何かおかしい気がする。
「先輩ってさぁ、サッカー案外嫌いじゃないっしょ?」
「どうだろうな?内申のためだし。そういう倉間はどうなんだよ」
ふいに腕が伸ばされてくしゃりと髪をかき回された。上げた髪がぱらぱらと目にかかる。急いで腕を突っぱねて動きを止めさせる。
「何すんだ、倉間」
「や、別にー。なんか、したくなったんで」
言葉のキレが悪くなった倉間を尻目に手櫛で髪を耳にかけた。ついでに垂れたままの髪を少し右目側に寄せる。向こうのベンチで久遠がこっち見てるとか気にしない。絶対に気にしない。
「…誰睨んでんの?」
「さぁね。大っ嫌いなやつ」
「…あぁー。…よくやんねぇ」
倉間は大体解ったようでちらりと監督を見た。久遠超ガン見。うぜぇ、とぽそりと言ったら目線下の倉間がにやりと笑った。
「すっげぇストレートじゃん」
「いーんだよ。どうせあいつも俺のこと嫌いだし」
「きっついなー」
「知ってるよ。言われ続けてたし」
「じゃあー、そんなきっつい先輩にー聞いちゃおう」
倉間が俺の腕を掴んで握りしめる。それで勢いよく引くもんだから体制は崩れて倉間の胸の間にダイブした。
倉間の肩越しに久遠が見えた。何あいつ音無先生に肩叩かれてんの?目隠して。泣いてんの?何に対してだよ。どこに泣く要素あんだよ。
「………俺のこと好きっすか?」
あまりに異様(久遠が泣いてる)な光景を目の当たりにして三半規管が鈍ったのか、ちょっと倉間が何言ったのかわかんなかった。
耳元で言われた言葉の意味を考える。
友達として、好き?いや、第一俺こいつと友達になった覚えないし。じゃあ何だ?親愛?…そこまで親しくねーし。
「聞いてます?俺、先輩のこと好きなんすよ」
「…どんな意味で…?」
「男の子が女の子に抱く感情と同じな意味で。超性的な意味。相思相愛だったら今すぐ抱きたいくら」
「落ち着け倉間」
それから俺も落ち着け。
何でいきなり告白タイムになったのか謎だけどさ。要はあれだろ?こいつゲイなんだろ?たまたま俺がターゲットに…ってもっとダメだろ。少年誌にあるまじき関係だぜそれ。
「せんぱーい?」
「…むりだろ」
ぐ、と腕に力を込めて倉間を引き剥がす。あの一年よりも小さい倉間の体はあっさりと離れた。
「ごめん、無理だって」
それからカバン持って出口に向かう。途中久遠が両手を突き上げてんのを見かけたけど無視。なんであんなのが監督なのかわかんなくなった。


「──あー…南沢ぁ」
廊下を歩いてると声をかけられた。
籠もった声。それとどすどすという足音。少し間延びする語尾。
「…こぶ…こふた先生」
理科教師、山口虎双。通称、眼鏡子豚。無駄に付いた肉を惜しみなく揺らして廊下を我が物顔で歩く。ふーふーと息を荒くして眼鏡を曇らせながら僅か10mを必死に移動する。ただの大豚だろ。
「南沢ぁ」
「…わかってますよ?こーふたせーんせい?」
脂と汗がのった腕をとる。生暖かい体温を唇まで近付けてぺろり、と舐めれば、それだけで豚先生は顔を赤くする。わかりやすいくらいに豚先生は女性経験がない。そのくせ俺を抱きたがる。
「俺を…抱きたいんでしょう?」
指先を唇に含んでちゅっ、と吸ってやる。ふーふーと豚先生の鼻息も荒くなった。
「──あぁ、でも」
口から手を離して手を上げる。
「その代わり、内申、くださいね?」
せんせい。
口を耳に近付けてぽそりと呟く。豚先生はこういう俗にいう、ギャルゲみたいなのが好きらしい。完璧にその気になったらしく俺の尻を撫でようとするから、素早くその手から離れてもう一度お願いしますよ、と言ってその場から離れた。


倉間はそれから何回も俺に好きだ何だと告白してくる。それを適当に流してるうちに倉間は俺にくっつかなくなった。清々したはずなのに、寂しい…気がするだけで、別に寂しくはない。と思う。
たまたま倉間を見かけて声をかけてみた。
「くらま」
「……霧野、行こーぜ」
「あぁ、良いのかよ?南沢先輩のこと」
「いーんだよー」
てっきり寄ってくると思った俺の予想を裏切って倉間は何事も無かったかのようにさっさと行ってしまった。
…何してんだ俺。
霧野はちら、とこっちを見てすぐ倉間を追いかけた。薄蒼の髪と桃色の髪が仲良く同じリズムで弾むのを、羨ましいと思った。そこのポジション、俺だったのに。
「どうした、南沢」
「監督…。別に何でもないです」
あぁ、そうか、と答えを後ろに聞きながら校門を出た。
別に、寂しくない。悲しいわけじゃない。
なんか、嫌なだけ。
「わけわかんねー」
髪をかきあげてぼそっと言って、また何がしたいのかわかんなかくなって家に帰った。


無駄に重い豚先生の体に押しつぶされそうになりながらなんとか足掻く。しかしほんと無駄に蓄積された脂肪は中学三年でサッカー部の脚力もってしてもびくともしなかった。
「虎、双せんせっ!!離してください!!」
「やだよぅ南沢ぁ!!」
むしろ蹴れば蹴るほど抱きしめる力とのしかかる重さが増える。むふー、と息が首筋にかかって鳥肌が立つ。気持ちわりぃ!!
「いやだ!こ、ふた先生!!警察に言いますよ!」
「そしたらボクも南沢が内申とるためにぃ、賄賂してるっていうもん」
ふざけるな、と叫ぼうとした瞬間首筋に豚先生の顔が埋まる。同時にぬめった何かで舐められた。きっと舌だろうな。ぶち殺してぇ。

事の起こりはこいつが異様に興奮していたことだ。何でも担当クラスの生徒がエロ本を持っていて、覗いたこいつには刺激が強すぎたらしく。部室に行こうとした俺を無理やり理科室に拉致ってこの様だ。
というかエロ本に興奮するって中学生と同レベルかこいつ。保健の教科書で声あげる人間なのか。
「み、南沢ぁ!」
「ひぁっ…!?何、してっ!!」
耳の中にぬめった舌を入れられて毛が逆立つ。血が逆流する。ぞわぞわとした感覚は消えてくれない。嫌だ。離せ。
「あ…っひ、ぁぅっ!!ぃ、やぁ!!」
「んあう、んんーん」
ちゅぱちゅぱと耳の中で水音が響く。気持ち悪い。
「ふぅー、みなみさわぁ…!」
「ん、くっ、ぁっ…!やぁ、ぶか、つ!」
性急にズボンの中に手を入れてくる豚先生をなんとか止めようと、部活があることを伝えたがこれといって効果はなかった。
むしろどんどん手の動きが加速してるような気がする。
「ん!!やだっ!!くらまあぁっ!!くらまぁ…!」
ありったけの力をこめて思いついた名前を叫んだ。
倉間しか思いつかなかった。だって、こんな俺を好きだと言ってくれたから。意識したら、俺の前から居なくなったけど。
「みなみさわぁ?暴れるなよぅ、逃げるなよぅ!」
「はな…っせ!!あぅっ!」
誰も来ない、詰んだ状況に涙すら滲んでくる。倉間、助けろよ。助けて。
「先輩に何してんだよっ!!」
「…く、らま?」
ドアを蹴破る勢いで倉間が理科室に乗り込んできた。次いで久遠が。
「あっ、あれぇ?くっ久遠先生ぃ!?」
「大事な生徒に何してるんだ…」
「なななななな何もおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
久遠が低い声で凄んだだけで豚先生は巨体を揺らして一目散に逃げ出した。久遠もゆっくりと後を追うように理科室を出て行く。後には若干服の乱れた俺と、俺を抱きしめている倉間。二人きり。
「…くらま…っ」
「なにしてんすか、先輩」
「…こわかった…くらま…!」
「うわっ!?」
抱きしめ返せば倉間は間抜けな声を出す。でもそんなことはどうでも良くって、倉間と繰り返し呼ぶ。薄蒼の髪に指を絡めて、何回も倉間と呼ぶ。
ぽろ、と涙が零れて、気付いたら泣いていた。声を殺さずに泣くなんてみっともなさすぎるし、情けないと思ったけど、倉間を前にしたらかっこなんてつけられなかった。
「……せんぱい、すき」
「くら、ま…、俺も、好きだ…」
「…マジで!?」
「驚くな、よ…。だから、豚先生とヤるの嫌になった…んだからさ…」
「やった!じゃあ先輩!ヤっていい?」
「…………痛くすんなよ…」
倉間は頷くとキスをした。触れるだけのキス。徐々に舌が入り込んできて、舌を絡ませあう。ぴちゃりと唾液が糸引いて切れた。それから倉間は迷っていきなり下着を下ろした。室内でも自身に触れる外気は冷たい。ふるりと体が震えた。
「くらまっ、…じろじろ、見んなっ…!」
「先輩の、震えてる…可愛い」
「ぃっ!!くらっ、まっ!」
きゅう、と自身を掴まれて上下にゆるゆると扱かれる。時々激しく追い立てられて、我慢できずに倉間の手に性を吐き出した。
「…苦い…」
「おまっ!な、な、何、舐めて!!」
「先輩の精液」
「言わなくていいんだっつーの!」
ぱしんと頭を叩くと倉間は急に真面目な顔で質問してきた。
「ところで先輩、続きってヤり方、女の子と一緒っすか?」
「…大体…」
すか、と倉間は頷いて俺の精液を後ろに塗り込める。皺を伸ばすようにいじられて段々と力が抜ける。
頃合いを見計らって倉間の指がナカに入ってくる。どうしても抜けない圧迫感に指を噛むと倉間はエロいと茶化す。
「む、り…!くらまぁ…!」
「俺も…すね」
いつの間にか入れられていた三本の指を一気に引き抜かれてぷるりと喪失感で体が震えた。でもそのあとに倉間のモノがゆっくりと入ってくる。熱い、倉間自身を受け入れれば何故か安堵する俺。
「全部、はいった…」
倉間が感激するように言って腰を動かし始めた。その刺激がイった俺には辛くて倉間にしがみつく。倉間もゆっくりと動いてくれて、最後は二人で果てた。


「せーんぱい」
「あ!何見てんの?」
「先輩、可愛いなぁーって」
部活が終わったら、一緒帰りましょうよ。
倉間の言葉に頷いて、カバンを持って、倉間と一緒に出口に向かった。





エロが!!
書けないのに頑張った!!
南沢さんは内申の為なら売春だってしますわ←
でも倉間が好きになっちゃったからもう売春は出来ないよね←
久遠監督は再度泣きながらベンチで指示を仰いでるらしいです。音無先生頑張って励ます係←お母さん役
霧野君は倉間の相談を聞いてあげただけです。決してデキてるわけじゃないです←












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