※三南





雷門中学サッカー部で取りあえず仲が良い奴を言えと言われたら、真っ先に三国太一という人間を思い浮かべる。
ただ、特別な関係かと聞かれたらいいえと答えるしかない。何故ならそれが俺と、三国の関係だから。
きっと三国と俺の間には見えそうで見えない境界線があると思う。そしてお互いその線を踏むのを、踏み込むのを恐れている。

「さーんーごーくー」
「あぁ、どうした南沢」
「茶」
「わかった。麦茶でいいか?」
「やだ。爽健●茶」
「はいはい。買ってくるから待ってろ」
特に意識したことはないけど、三国は俺の言うことをよく聞いてくれる。今みたいに注文を出しても断られたことはないに等しい。
倉間はこの様子を離れたところで見てラブラブっすね、とよく茶化す。それでも茶化される原因がわからないし、三国が言うこと聞いてくれるだけだから、きっと特別な関係ではない。
「南沢、買ってきたぞ」
「足痛い」
「わかったわかった」
放り投げられた茶を受け取り、飲むわけでもなく傍の長机に置く。それから三国が屈み込んで筋肉をほぐす。そんな感じで大体の時間を潰すのだ。
「ふくらはぎすげぇ痛い」
「どこらへんだ?」
「上のほう」
「上のほうって…ここらへんか?」
「違う、そこじゃねぇよ」
三国は場違いなところを強く揉む。上の方だと言ったのに違うところを揉むとか意味がわからない。
「膝のあたりか」
「いたっ!そこ痛い!やめろよ!」
「痛いからほぐすんだろ。明日に響くぞ」
「知るかっ!」
ぐいぐいと筋肉が動かされて、ふくらはぎが痛む。確かにそこらへんだとは言ったけど痛くしろとは言ってない。三国はそんなことお構いなしにさすりあげてくる。さすがにやめてほしいからまだほぐされてないほうの足で思い切り三国の手を蹴り上げた。
「痛いっつってんだろ、ばか!」
「いや、お前がほぐせって…つか手が痛い」
「お似合いだっつの…」
三国が痛そうに顔をしかめたけど、ほぐされ途中で止めた足が中途半端に痛むからおあいこだと思う。多分あいつの方が割は高いだろうけど。
「…南沢、謝れ」
「やだ。なんでだよ」
「俺は悪くないだろう。お前がやってきたんだから」
「俺も悪くない。三国が痛くするからだろ!」
「とにかく謝れ」
「やだ」
「謝れ」
「嫌だ」
「…はぁ」
三国がため息をつく。一年に何回かみれるだけの深いため息。呆れたように手を額に当てて、きっと呆れてる。
「…篤志」
下の名前で呼ばれて体が強張る。大抵三国は怒るときや呆れたときは下の名前で呼ぶ。その瞬間俺は必ず後悔する。
嫌われたくないから。
「……篤志、こっち見ろ」
「………………いやだ」
三国が目線を合わせようと屈み込んだまま俺の手を握る。小さなころよくやったポーズ。あのころから性格なんて変わってない。
「篤志、いいか。俺はお前にどこ蹴られようが殴られようが別に構わない。お前のこと信じてるから」
「…………………………うん」
手を握る力が強くなる。怖くて怖くて視線なんて合わせられなかった。強くて、真っ直ぐな三国の目。
「だがな、手はやめろ。仮にも俺は雷門サッカー部のキーパーだ。お前の感情で手を潰されたらみんなに迷惑がかかる。それだけは絶対に避けたいんだ。わかるな?」
「………………うん…」
「謝るのは俺にじゃない。チームのみんなだ」
「…………ごめん、さんごく」
「…まぁいいか。これからは気をつけろよ」
「、わかった」
三国はにっこり笑ってくしゃりと髪の毛を撫でた。
「あぁ、そうだ●健美茶もらうぞ」
「っ!!ふざけんなよブロッコリー!!」
間接キスなんてあと10年早いんだよ!







わんこでおかんな三国先輩×女王でわがままな南沢先輩
南沢可愛いお^^
とりま南沢はあれだよ、三国にだけツンデレ・クーデレを見せればいいんだ南沢可愛いよ^∀^*
早く修学旅行でヤってこいよ←←












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