なんでこの絡みにしたのか疑問





「珍しいね、君が来るなんて」
「そうか?」
客人は一人でまだ陽の昇らない時間に来ました。白とも蒼とも薄墨色ともとれる綺麗な色の髪を、朝靄のなかに馴染ませながら僕の家の戸を叩いたのでしょう。
そんな想像をしながら客人の前でくつりと笑ってしまいました。
「どうかしたの」と聞く彼はとても不思議そうに笑います。
その真正面で僕は「なんでもないよ」と笑い返します。
それから彼が朝食はまだ食べていないと言うので僕は台所にたちました。彼が来るのは実に8年ぶりなので、食の好みが変わっていなければいいなぁ、と思いながら冷蔵庫の中を見渡しました。
「肉じゃがでいいかな」
「君の味ならなんでもいいよ」
振り返るとにこやかに笑い、暖簾の間から顔を出す彼と目が合いました。
「聞いていたの?」
「いや、聞こえたんだよ」
いたずらっ子のように目を細めて、それからぱちりと指を鳴らしました。相変わらず気障っぽく、格好いい立ち振る舞いです。
「お袋の味ってやつかな」
「年寄りくさいよ」
苦笑いをして必要な材料を取り出し、包丁をさばきます。
僕が作り終わった肉じゃがを盛りつけていると、朝に弱い僕の手持ちはふらふらと台所に逃げ込んできました。後ろから彼の手持ちも付いて来ます。
そのままじゃれ合うから、台所はポケモンで一杯になりました。ただでさえ僕の手持ちは体が大きいのです。
「あぁ、そんなに暴れないで」
「どうかしたのか」
また彼が暖簾をまくり顔を出しました。それから台所の惨状みて苦笑。笑ってないで助けてよ、と言うと悪いねと言ってお皿を持って行ってしまうのでした。
テーブルの上には肉じゃがとご飯という至ってシンプルな料理が並んでいました。
二人で席について、両手を合わせます。
静かな咀嚼音が聞こえるだけの空間になりました。朝の光が丁度よく向かいに座る彼を柔らかく照らし始めます。
「…独り言だから」
「君の癖じゃないか」
「……チャンピオンを辞退したんだ」
これは彼の独り言なので僕は黙って箸を動かします。
「あんな狭い世界に僕は収まらなかった、それだけなんだ」
「けれど、一人になった途端寂しくなって」
「気づいたら此処に来ていたんだ」
「…とんだ重症患者だね、君」
あははと彼が笑います。僕も笑い返してやりました。
「一個、言い忘れてるよ」
「…あ、そうだな」
君は相変わらず細かいな、と言うので君が大雑把なだけだよと言い返してみました。
「ただいま、マツバ」
「おかえりなさいダイゴくん」
エンジュの朝が始まります。


第一声→接点ねぇよ!!!!
第二声→需要ねぇよ!!!!
第三声→供給もねぇよ!!!!
ポケスペ読んでたらダイゴさんのイケメンぷりが辛すぎて書いてました
ダイマツ誰か書かないかなっ?


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -