嘘つきの恋が始まる


嘘、何だけど

あんたの声が聞きたい。
そう思った自分の心をどこかで清めたいと思った。
あんたの前に立つにはこの表情は塗りつぶす。
ばれちゃいけないんだから。
今日も。

あんたに会って恋に落ちた。
ほんと何だよって思うくらいで、でもあんたの心に触れれば触れるほど終わりの無い幻が見える気がした。
「この感情をどう呼べばいいんだろ」
あんたと俺との温度は変わらないまま。
あんたの笑った顔が俺の中に巣くう前に。
瞬間、今、今日を心の中に閉じ込めた。
思い浮かべた未来は灰色で、希望なんて持てなくて、何だ俺、こんなにあんたの事好きだったっけか。

これは都合のいい俺の空想であってほしい。くたびれて寂れた嘘。=妄想、みたいな?
、ほんとはこんなに聞きたい。あんたの心からの愛しさと言うか愛をたくさん。
あんたの声に一人恍惚を重ねてみた。そんな過去は遥か昔。
形あるものとか崩れていくモノとか、そんなモノ要らない。こんなろくでなしの両目なんて要らない。
嘘で包んで、この俺を。

終わりの無い恋に(つまりは幻想な?)あんたは悲しそうに笑いやがった。
「この感情、何て呼ぼうか?」
白い部屋で響いた声は分かりやすいほどに暗い色をしていて灰色に近かった。
永遠なんて無いんだからそっと息を止める。
俺を置いてった、絶望はあんた。
時が止まれば俺の世界は終わる。
永遠を願う言葉は意味を持たない。
もう少しだけ、あんたの隣で笑っていたかった、ってもう少しだけ祈らせて。
「    」
この言葉が聞こえないなら、もういっそ俺を殺して。
あんたの声を聞かせて。濁った心を祓って。
偽物の表情をあんたと共に葬ろう。
あんたと俺の存在した証が無いなら、あんたの温度を俺に焼き付けて。

嘘でもいいから。




―――
友達に送ったものだったりするww

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