一つの世界で君ごと愛す


※真面目に書いてみる
※シリアスかもしれない







「正臣君」
「…なんすか」
「大好き、って信じてくれる?」
「大っ嫌いです」
「ねぇ、じゃあ愛してよ」
「死ねばいいんじゃないですか?」
「なんでよ」
「なんでって…」
紀田正臣は困惑した。
何故、目の前の男は自分にのし掛かっているのだろう。
何故、目の前の男は泣きそうになりながら笑うのだろう。
何故、目の前の男は目を伏せながら自分の首を絞めるんだろう。
「なんで…君は俺を、愛してくれないの」
「い…ざや…さっ……!」
「ねぇどうして?」
「はな、せっ…!」
「離したら愛してくれる?」
「だれがっ、ず、るがっ…!」
ひゅーひゅーと正臣の口からは空気が漏れる。
絶対的な力の差。
「俺は生きてていいの?」
「はっ…し…ら、はっ…なっ…」
「俺だって愛されたいよ…誰かに愛してるって言われたい…生きてていいよって…」不意になくなる首への圧迫。
肺に溢れかえる新しい酸素。
それらは正臣の体の中を巡りまた正臣へ生へと突き動かす。
「げほっ…かはっ…はっ、はっ…はっ…」
「…肯定されたい…」
「……いざ…さ…」
泣いている。
あの折原臨也が。
冷酷無比で残酷で感情などとうに崩壊している臨也が。
泣いているのだ。
「俺は…俺も…『人間』なんだ…」
「…!」
「誰かに、必要とされたい…俺の『情報』じゃない……『俺自身』を、愛してもらいたいよ……」
「いざやさん…」
感情が波打つ。
全身に鳥肌たった。
そうだ。
この男は人を愛してるのだ。
折原臨也も、この小さな世界で生きているひとりの人間なのだ。
「…誰か…愛してよ…」
「…………いざやさん…」
誰かが動かなければこの人の世界は変わらない。
今、自分が動かなければこの人の景色は変わらない。
変われない。
「、正臣、君…」
「そうでしたね…あなたも……」
俺と同じ、人間だ。




心拍数聞いてたらこんなもの書いてた←



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