たおやかすこやか


※どうしてこうなった





池袋の破壊人形と恐れられている平和島静雄は、今俺の部屋に居る。別に脅されてもいないし、ヒモなわけじゃない。なんたって恋人である。うん、恋人。良い響きだ…。
「し、静雄さん…」
「ん…?」
「そろそろ、限界…です…っ」
じりじりとした痛みが足を襲う。耐えきれなくなり静雄さんに抗議した。
「膝枕はつらいっすよ!!」
ばち、と端正な横顔を叩く。静雄さんは痛くも痒くも無さそうにへーへー、と言って頭を上げた。なにその姿勢。
「うるせーな、ちょっと黙れ」
「…っ…!」
ちゅっ、と唇を塞がれた。真っ赤になって抵抗するが、後頭部を引き寄せられろくに抵抗できなくなる。軽い口付けはだんだん深いものへと変わっていく。
は、と息を切らしながら口を離すと唾液が糸を引いた。めちゃくちゃ恥ずかしい。
静雄さんは俺の頭をぽん、と撫でて大丈夫かと聞いた。優しいな、この人。
でもキスより先はしたことがない。何でだ。確かに男相手にヤったことないし、胸もないし、硬いけど。顔は良いと思うんだ。顔は。
悶々と考えていたら静雄さんはもう寝るか、と持ち出してきた。なんだと、どういうことだ。まだ12時だぞ。これからアハハ★ウフフタイムじゃないんですか!?
「なにしてんだ正臣、先寝るぞ?」
逃げようってんですか、そうですか。ならば襲ってやろうじゃありませんか。
今時の高校生をなめないでくださいよ?

「で、どうしてこうなった」
「だって…」
本気で寝ていた静雄さんに馬乗りになり、着ていたものを脱がしていたとき、気づかれた。
ジト目で俺を睨む静雄さんに背筋を凍らせながら気持ち爽やかに笑う。
「だっても何もねーだろ、さっさとどけ。眠い」
「う、わっ、ちょっ!?」
ひょい、と持ち上げられてそのまま隣のベッドに強制的にダイブさせられた。加減してくれたのはわかってるけど、かなり衝撃がきた。
「寝ろ」
「いやだ」
「言うこと聞けって」
「俺のこと嫌いですか?」
「なんでそうなる」
「抱いてくれないじゃないで」
ぼす、と枕が顔に当たった。
「おまっ、高校生に手ぇ出したら犯罪だろ!」
「同意の上での行為なら平気でしょ?」
枕を抱きしめながら、上目に静雄さんを見る。
「どうなっても知らねぇぞ」
そう言うが早いが、いきなりキスをする。盛った猫みたいにお互いの舌を舐めあう。ざらざらとした感触に頭の芯までぼんやりとしてきた。
「はっ、ぁ…う…」
「まだバテんなよ、誘ったのはてめぇだ」
「わかっ、てま…すよぉ…」
本気のキスなんて初めてで、どうしていいかわかんなかった。大人の世界。
着ていたものはすべて脱がされて、生まれたてのような姿にさせられた。対する静雄さんは、上しか脱いでいない。
「羞恥心…!」
「なに言ってんだばか」
乾いた素肌に静雄さんの湿った唇が這う。だんだん下に降りていき、乳首の部分で止まった。
べろりと舐められて、びくっと体が震えた。なにこれ、気持ちいい。こんなの知らない。
右の乳首だけじゃなくて、左の乳首は手でいじられる。舌よりももっと強い快楽が体を走った。そのたびに高い声があがる。
「やだぁ、ちょっまっ!そこ、あっ!!」
「嫌ならやめるけど?」
「うっ、く…あ、きもちいい…です、」
そう言ったら頭を撫でられた。温かくて、大きな手。
その手があらぬところに伸びた。
「!? ちょっ、と、まって!!」
「あ?なんで待たなきゃいけねぇんだ」
そこ急所だばか!!あほ!!
静雄さんはお構いなしにぐちぐちといじりはじめるから頭がぼーとする。すげぇきもちいい。ろくな抵抗できなくなる。
俺は静雄さんの下でただ喘ぐだけ。その口にごつくて長い静雄さんの指がつっこまれた。舐めればいいのか。
ふやけるまで舐めた指をどうするのかといまいち纏まらない思考で考えた。で、次の瞬間鈍痛で一気に頭が覚醒した。
「どこっ、指いれてっ、るッ!?」
「…穴?」
デリカシーって言葉を知らないのか!
舐めた指は俺の二番目の急所に入って好き勝手暴れている。でもそれは快楽にかわるらしい。だってキスされてるみたいに頭の中がぼんやりする。
「いれて平気か?」
少し熱い吐息を耳に感じる。もうダメとか言える雰囲気じゃないだろ。
こくんと頷いたら、耳にキスされた。うっわ恥ずかしい。
でも、気持ちいいから、ゆるっ
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い無理はいんないッ!!!!!」
涙でるかと思ったいや死ぬかと思った殺す気か!
鈍痛なんて騒ぎじゃない。激痛が体の中心に駆け回って頭のてっぺんから抜け出るくらいの衝撃。
「うるせぇぞ、だから嫌だって。俺は止めといたのによぉ」
「ぅ…できますよ!やればできるんです俺は!」
なんかこれ、もうやだ。でもヤる。
好きだから。
今度は静雄さんなりに慎重に、かつ丁寧にいれられた。その間俺は羊数えたり手を握りなおしたりキスしたりしていた。
女の子とヤるみたいに動いて、絶頂を感じたけれど。
「腰…壊れるかと思った…」
「だからやめときゃ良かったのによ…」
女の子たちごめん。俺、今度からすごく優しくするから。






痛いって言わせたかっただけ…だったりする
エロってなんでこう…短く纏まらないのかな文才があれかな


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