夏になって俺は気付いたことがある。蒸し暑さが残る教室でちらりと視線を横にやると一生懸命に講義を聞きメモをとるしえみの姿がある、のだが。 (………透けてるよな…) 白いブラウスからうっすらと見えるピンクの肩ひも。残念ながら胸元は大きなリボンに阻まれてよく確認は出来ないがこれはやはり世に聞くブラ透けに間違いない…。とそこまで考えてなに俺は志摩みたいなことを考えているんだと頭を抱えた。 …だがしかし。気付いてしまったからには気になって仕方がない。俺だって思春期真っ盛りの健全な男子高校生なのだ。 俺は教科書を見ているふりをしながらもう一度しえみの方を盗み見た。 「…………。」 (…肌まっしろだな…髪きれーだし、睫毛もなげぇ…) じっくりとしえみの横顔を見て改めてかわいいと、そう素直に感じた。 「……奥村くん、しえみさんに見とれるのも良いですが、ちゃんと授業を聞いて下さいね」 「っ!!!雪男テメェ!!」 [*前] | [次#] |