「あーあ‥雨やまないなぁ」


ちょっと散歩しようと気軽に森に入ったは良いが、突然の大雨に見舞われてしまい運良く見つけた洞穴で私は雨宿りしていた。

ザアザアと降る雨の音だけが響き渡り、まるで自分だけが外界から遮断されてしまったようなそんな気分になる。


(こんなと時に限って鞄置いて来ちゃったよ‥)


旅に出ても街の人との温かい触れ合いや、ポケモンたちのおかげであまり独りということを意識することがなかった。

だが今は。

考えれば考えるほど孤独感が襲ってきて、震える自分の身体をギュッと抱きしめた。あぁ、泣いてしまう。








「こんなとこで何やってんだ」

頭上から聞こえた声にハッとして顔をあげるとそこには右手で傘をさし、左手にも傘を持った見慣れた顔が。


「こんなに濡れて‥風邪ひいたらメンドーだからすぐに街に戻るぞ」


傘をずいっと差し出すチェレンの顔は少し赤かった。





こんな王子様みたいな登場、ずるい。





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