※アメリカ代表ユニコーンのトニーとショーンのお話
※学パロ











今日は体育祭。俺は借り物競走に出ることになった。

スタミナには自信があるが借り物競走となると話は別だ。いかに早く目的のものを見つけ出し、ゴールにたどり着けるか。つまり運も必要になってくる。




「位置についてー!」




そうこう考えているうちに俺のいる組の番が回ってきた。スタートラインに並び、合図を待つ。




「よーい、ドン!」




掛け声と共に一気に走り出す。半分走ったところで俺は目の前に落ちている封筒の中から一つを選び、紙を取り出す。




「‥‥‥」




紙に書かれていることに一瞬目を疑った。

完全に想定外であった。

借り物競走は物を借りてくるもんだと思っていた。観客が持ってそうな‥カメラとか、帽子だとか。

そんなことを考えているとハッと周りの連中はどうなんだ、と言うことに気づき顔を上げると 好きな子、だと‥!?と顔を赤らめる奴やマック監督!?と驚いている奴が居た。

誰だこれ考えたやつ。

‥とにかく連れて行かないことにはゴール出来ないので俺はクラスの連中のいる所へ急いだ。














「それでは、借り物競走の結果発表に移ります―‥」




ガヤガヤとまだ余韻の残るグランドにアナウンスが響く。




「第一位、『ほっとけない奴』でショーン・ピアースくんを連れてきたトニー・ストライダスくん。―続いて第二位、‥」




他の連中があたふたしたお陰で俺はどうにか一位になることが出来た。


‥のだが、





「どういうことだ、トニー」




さっきから後ろにいるショーンの視線が痛くてしかたがない。きっと殺気を含んでいるからだ。




「‥しょーがねーだろ。お前しか思いつかなかったんだよ」

「ふざけるなよ‥!」





あのお題で自分を連れてきたことがよほど気に入らないようで、ショーンを肩に担いで運んでいたときもどさくさに紛れて何回か背中を蹴られた。全く痛くなかったのだが。




「おぼえてろトニー‥!来年は俺が借り物競走出て変なお題でお前に恥をかかせてやるからな!」

「あーはいはい‥」




やっぱりこいつはどこかずれていて、ほっとけない奴だと思った。









そんな馴れ初め












当サイトでは男気あふれる優しいトニー×ツンデレ眼鏡ショーンを熱烈応援中





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