※高校生パロ 「これはね、この公式をあてはめれば良いだけなの」 「あ‥そっか」 「じゃあ次の問題ね‥」 俺は今、春奈さんと机を向かい合わせて数学の勉強を教えてもらっている。 ことの発端は放課後‥。 日直の仕事も終わり、サッカーの練習に向かおうと席を立ったときだった。隣のクラスの春奈さんが教室に入ってきて俺の前に立ちはだかった。 「立向居くん、私が勉強教えてあげる」 「へっ‥!?なんなんですかいきなり?」 「とぼけても無駄!聞いたよ?数学赤点だったんだって?」 「うっ‥」 「練習に差し支えがあると困るからって、お兄ちゃんに勉強教えるよう頼まれたの!」 「鬼道さんに‥」 「そういうことだから、今から明日の再テストにむけて勉強をします」 「‥はい」 鬼道さんに言われたなら仕方がないと俺は練習を諦め、渋々席についた。 こうして今現在、俺は数学と戦っているわけである。下校時間を告げる放送に随分と時間が経っていたことを知った。 「すみません春奈さん‥鬼道さんの頼みとはいえ、俺につきあわせちゃって‥」 春奈さんはいつも成績上位者に名前が入っているから、間違いなく補習などの必要はないだろう。 「あぁ、あれね、嘘なの」 「‥え?」 今、何かさらっと爆弾発言をしたような‥ 「本当はお兄ちゃんに頼まれたりなんてしてないんだ」 数学の問題を解きながら春奈さんはさらりと言った。 「えぇ‥!?じゃあ、なんで!?」 「そうだなぁ、立向居くんと二人で話したかった」 それじゃ理由として不十分?と春奈さんは笑った。 「そ、そんな‥」 そんなことを言われたら、俺 勘違いしても良いですか? [*前] | [次#] |