「俺、綱海さんが羨ましいです」

「なんだよ粋なり、そんな辛気くせぇ顔して」







練習終わりの夕食中、隣に座っていた立向居が箸を止めそう言った。







「綱海さんはいつも前向きに色々考えることが出来て凄いな、と思って。俺なんか、マイナスなことばかり考えてしまいます」

「ん〜その発言もマイナスだな」

「‥そうですね」







あはは、と立向居は眉毛をハの字にして笑った。







「でもよお、お前だっていつも後ろ向きな訳じゃないだろ?」

「は、はぁ‥」

「どんなとき自分が前向きに成れてるか考えてみろよ」







(俺が、前向きになれたとき‥?)







思い出そうと必死に考えていると綱海さんが俺の背中を叩いて なんですぐわかんねぇかなぁ とため息をはいた。







「お前がシュートを止めることが出来たときとか、新必殺技が完成したのは自分だけが出来るって思ったからじゃねぇだろ」

「‥あ‥みんなが居てくれたから、俺‥」

「そうそう!いっつも仲間のこと信じて、想ってりゃ良いだけなんだよ!」







照れくさそうに力説してくれる綱海さんは









太陽みたいな人だ






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