「もー円堂くんってば!」







あはは、と楽しそうに笑う秋の視線の先には円堂が居た。

アメリカから帰ってきて秋も土門も居て、また昔に戻れると思った。また昔のように三人で楽しくやれるのだと。

けれど、俺が居なくなってから思ったよりも長い時間がたってしまっていたのかもしれない。








「それでね、円堂くんがね‥」

「へぇ、そうなんだ」







俺と話をしているときも秋は楽しそうに円堂の話をした。その目は昔と変わらない、好きなものを語るときのキラキラしたものだった。

変わったのはその視線の先にあるものだけ。







「一之瀬くん?どうかした?」

「‥いや、秋は口を開くと円堂の話ばっかりだなと思って」

「へっ!?そっ‥そんなことないよ!?」







(無自覚、か‥)







慌てて否定する秋に改めて俺が入っていける隙間が残されていないことを思いしらされた。







(負けたよ、円堂)







「‥今度円堂に向日葵でも渡したらどうだい?」

「え、向日葵?どうして?」








向日葵の花言葉は









私の目は貴方だけを見つめる






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