「秋ー!」

「一之瀬くん」

「ごめんね、待った?」

「うんん、大丈夫だよ」





そんなよくある会話をしながら俺と秋はこっそりとキャラバンを抜け出して二人で散歩に出掛けた。

二人同時に抜けると怪しまれるから、秋を先に行かせて俺はと言うとリカをまくのに少し時間がかかってしまった。






「久しぶりだね‥こうして二人で歩くの」

「そうだね、アメリカに居たときも三人で居るのが当たり前だったし」





いつも歩いている道が夜のせいか違う道のようだった。夜の風が心地よくて、隣に居る秋の髪をなびかせていた。





「‥今更だけど、私一之瀬くんが居なくなったとき本当に、立ち直れないかと思ったの」

「ごめんな、秋。あの時は俺も‥」

「うん、わかってるよ」

「‥‥」

「一之瀬くんが私たちに弱いとこ見せたくなかったのも、必死にリハビリしたことも」

「うん‥」

「再会出来たときもう一之瀬くんと離れたくないって思った」





俺もだよ、と言おうと口を開いたが秋はそのまま話を続けた。





「だからね、今は直ぐに一之瀬くんだってわかるように着信音変えてあるんだ」





開いたままだった口からそのまま 俺もだよ と言葉が出てきた。





なんだ、秋もだったのか。









あなただけのおと






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