瀞霊廷にも夏がやって来るわけで。



流石にこの真っ黒で長袖長ズボンともとれる死覇装はきつい。暑すぎる。檜佐木さんの用な袖無しは僕みたいな貧弱な身体には似合わないし、かと言って目の前の上司のようにだらしなく死覇装を着崩すこともしたくはない。

恨めしそうな視線を送ってやるとそれに気付いた隊長はケラケラ笑いながらいつも以上に顔色悪い、と言った。

わぁむかつく。
自分は扇子であおぎやがって。




「すみません‥流石にここまで暑いときつくて」




心では悪態をつきながら流石に相手は一応上司な訳なので猫をかぶっておく。




「せやなぁ。‥‥んーなんやボク仕事飽きた。あと宜しゅうな〜イヅル」

「え、あ!ちょっと!市丸たいちょ‥」




引き留めようとしたが既に隊長は瞬歩で居なくなっていた。目の前に残るのは書類の山だけ。





「‥‥暑い」





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