額にうっすらと汗が滲み、痛みに耐えるように唇を噛んだ。まるでお腹を内側から何千本もの針で刺されているようだ。

幸い副隊長席は隊員たちの席から死角になっているので、バレてはいない。






(痛い痛い痛い痛い‥)





頭がぼおっとしてきた。

自分の身体が横に倒れていくのをスローモーションで感じながら次の瞬間に襲ってくるであろう衝撃に目を閉じ身構えた。






‥‥‥‥‥





「‥‥‥‥‥?」







何時までたっても訪れない衝撃にイヅルはうっすらと目を開けるとそこには見慣れた姿が僕を受け止めていた。




「たい、ちょう」

「こないなるまで放っといて‥阿呆やなぁ」

「すみま‥せん」

「すぐ四番さんとこ行こ」




そう言うと隊長は僕を背負ったまま隊員たちに何かを言うと執務室を出ていった。









(隊長の背中、あったかい)



普段ならば隊長におんぶされるなんて恥ずかしくてあり得ないが、痛みと心地よさもあって甘えることにした。






「もう我慢したらあかんよ、イヅル」

「はい、すみません‥」

「イヅルの霊圧がめっちゃ弱っとるんやもん。びっくりしてとんで帰ってきたんやで」

「‥すみません」





隊長に心配をかけるなんてつくづく副隊長失格だなぁなんて思う。







「すみません、やなくて」

「へ‥?」

「こういう時はありがとう、やろ」







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