お腹が、痛い。 昨日から調子が悪いとは思っていたので寝たら治るだろうと早めに床についたのだが、結局痛みで何時もより早く目が覚めてしまった。 本当ならばこのまま横になっていたい。しかし 「こんなことで休んでいられない‥」 何せ、誰かさんのお陰で四六時中書類が溜まっている状態なのだから。 ずくずくと嫌な痛みを孕み続ける腹部を擦りながらイヅルは自室を後にした。 ‥‥‥‥ 「おはようございます、吉良副隊長」 「あぁ、おはよう」 隊員たちと挨拶を交わす。勿論下手な心配などをされぬように平然を装いながら、だ。 「隊長はまだいらっしゃっていませんが、どう致しましょうか?」 「ならしょうがない、僕達で処理できるものから進めていこう」 「承知しました」 隊長が朝姿を見せないことは珍しくないので隊員にてきぱきと指示をして席についた。できることなら早めに執務を切り上げて四番隊に薬を貰いに行きたいのだ。 「‥がんばらなきゃ」 積み上がる書類を目の前にイヅルは呟いた。 ‥‥それから数時間ほど経った頃だろうか、 「‥‥‥‥っ‥」 あまりの腹部の痛さで筆を持つ手も覚束ない。と言うか全く集中が出来ない。 ちらりと時計を見たが、お昼休憩にもまだ少し時間がある。 (限界‥かも‥) [*前] | [次#] |