じゃーんけん ぽんっ あーいこで しょ、 あーいこで しょっ ‥‥‥‥、 ‥‥あーいこで しょっ! 「‥‥っ」 「僕の勝ちですね隊長」 「‥‥。」 「隊長、」 「わかっとる、約束は約束や‥」 そう言いながら市丸はしぶしぶといった風に席についた。 「‥やったぞ!!今日は副隊長の勝ちだから隊長が仕事をしてくださるぞ!!」 「これで今日は残業なしだ!」 先ほどまでの光景を固唾を飲んで見守っていた部下たちはみな安堵と歓喜の表情を浮かべてそれぞれの持ち場に放れていった。 「毎朝お疲れ様です、吉良副隊長」 「まぁ‥こんなことで隊長が仕事をして下さるなら僕はどんなくだらないゲームや遊びでも全力を尽くすよ‥」 朝から疲労困憊の笑みを浮かべるイヅルに三席は同情せずにはいられなかった。たかがじゃんけん(されど大事なじゃんけん)でこの疲れよう‥。 「明日はなんのゲームだったかな?」 「明日はダーツです。一本勝負で点数の高い方が勝ちとなります」 「そうか。じゃあ就業時間後はみっちり練習しておくよ」 「‥市丸隊長が仕事をなさるのは確かに三番隊にとって願ったり叶ったりですが‥ご自愛下さいね、吉良副隊長」 「有り難う三席‥」 いつもふらふらと出歩いてばかりの隊長を見かねて作られた三番隊の朝の習慣である。 全身全霊でお臨みします (明日は負けへんでイヅル!) (その言葉そっくりそのままお返しします) [*前] | [次#] |