ボクが吉良先生にふられたことは何故かあっという間に他の先生に知れ渡っていた。









「まぁ‥気にしなくて良いと思いますよ、市丸先生」

「そうですよ。吉良くんは特別ですから」





そう言ってボクのグラスにお酒を注いでくれるのは同じ職場の阿散井くんと雛森ちゃんだ。

今日は他の先生との懇親会を兼ねた飲み会に出席したのだ。







「いや‥でもあれは脈なしやろ‥」






先日のやり取りを思い出しては落ち込む日々。そんなに自分と行くのが嫌だったのだろうか‥。





「ところがですねぇ、吉良くんの場合は違うんですよ」



うんうんと阿散井くんも腕を組み納得している。



「アイツは今まで見たこと無いくらいの天然記念物っすからね。自分が恋愛対象になるなんてハナから考えにないんですよ」

「あんなにわかり易いアピールしてんのに?」

「天然というところにおいてはギネス級と云っても過言じゃありませんから」

「だから、市丸先生が嫌だとかそんなのじゃなくて、ただ自分より乱菊さんの方が行きたがってたからそう言っただけっすよ」

「はぁ‥」




そんなもんなのか?と思ったがこの二人は吉良先生とは同期で、悔しいが自分よりも遥かに吉良先生のことを知っていることは確かなので、とりあえずこの話題はふられてはいないと言うことで幕を閉じた。







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