某日、護廷幼稚園。
ここは朝の職員室ー。







ドアを開けて入ってきた相手に市丸は待ってましたとばかりに声をかけた。




「きっ‥吉良センセ!」

「市丸先生!今日はお早いんですね。おはようございます」

「おはようございます!今日も、頑張りましょう!」

「はい、頑張りましょうね」




(あぁ‥天使や‥天使がおる‥)



ニコニコと市丸を見つめながら答える吉良は市丸にとって最高の癒しだった





「キモッ‥つかわかりやすすぎでしょ」




デレデレと鼻の下をのばす市丸の姿を眺めて溜め息を吐くのはネコ組担任の松本乱菊先生だ。




「うっさいで乱菊。お前みたいなガサツな女には吉良センセの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ」

「なんですってこのゲームオタクキツネ!」

「キツネは余計や!」



「ふふふ‥お二人とも本当に仲が宜しいんですね」




ぎゃあぎゃあと言い合う二人を見て吉良はにっこりと笑う。




「えっ‥ちょ!ちゃいますって吉良センセ、コイツとはただの腐れ縁で‥」

「そうよ吉良!誰がこんな性悪キツネと‥」

「だからキツネは余計や!」


「ふふっ、もうすぐ時間ですのでお二人とも遅れないように気をつけて下さいね」




そう言いながら職員室を後にする吉良の後ろ姿を見つめながら、市丸はがっくりと肩を落とした。





「あかん‥絶対誤解された‥」

「あんたが吉良にどう思われようが勝手だけど、私にまで迷惑かけないでよね」

「元はと言えばお前のせいやろー!」




市丸の叫びもむなしく、いつも通りの時間に幼稚園にチャイムが鳴り響くのであった。







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