※元ネタ「エマ」著:森薫
※いつも通りのくそ改悪まみれの台詞パロディ
※あ、夢主はメイドじゃないですすまん(パロディとは……)
「今日はサイタマさん居ないんです」
聞いちゃいない。
ずけずけ上がり込んだソニックはそわそわキョロキョロ部屋を眺め回した。そんなに凝視されたって居ないものは居ないのでしかたがない。
「えーと……」
「……」
「帰宅がいつになるかわからないので」
帰れよ。
なんていえないけど!
「……」
「……その辺りおかけになってください」
根負けしてしまった。
少し迷ってからちゃぶ台の上座に尻を下ろす忍者を見て、ため息をこっそり飲んだ。
変なの。桃源団の時はべらべらと長舌なお兄さんという印象だったのに、黙りこくっている。
ポッドから急須へ直接お湯を注ぐ。
客用茶器なんてない。
「どうぞ」
果報は寝て待て湯飲みはサイタマのだけど、まあいいだろう別に。敵とーに入れたお茶をどぱぱと注いだ。
飲んだ帰れよ。
とも、言えないけど!
内心の文句を読みとられたのかと思った。湯飲みを置こうとのばした腕を、手首をつかまれる。
もう、めちゃくちゃにびびった。
焦りのあまり握力がすっぽ抜けた手から湯飲みがぽろりと落ち掛けたのを、ソニックはなんの気負いもない表情で空中でつかみちゃぶ台に置く。
取られた指先を両でて挟み包まれた。引っ込めることもできなかった。わずかにほほえむその顔が、伏せられた目が、まるで敬虔な祈りを捧げるような表情だったのもあるし、動揺してしまうくらい優しくふれられたから、でもある。爪やしわや指紋の形を記憶しようとしているかのように、ゆっくりと指先が私の手をさわる。
まともに視線がぶつかってしまった。
ドキリとするほど熱っぽい目をしていた。
おかしい。
サイタマの評す所の無邪気な、実際の所は邪悪にしか見えない笑顔しかしないと思っていたのに。
そんなあどけないほほえみを、見せられてしまっては、
「いや、実はお前に用があって来たんだ」
「お前はそのーーサイタマといい仲なのか」
「いえ、そういうわけでは」
「あの金魚のフンは?」
「フン?」
「サイボーグ」
「ジェノス君? いえ、別に」
「そうか。まあ例え奴らとなんであろうが関係はないが。しかしサイタマは俺の唯一無二の好敵手。勝負を預けている間に女を取られた、などとゴネられてもおもしろくないからな」
「はあ、」
「会ったばかりでいきなりだと思う。困らせたらすまないが、その、つまり、」
「……」
「好きなんだ」
でもきれいな顔してて色々あったのはソニックちゃんのほうなんだろ(おらおら!!)
一撃