「なんで雨降るのよ信じて洗濯物干してきたのによ●ずみのばかあ! …マンション前にパトカー? 事件? 警察に引っ張られてる人見覚えが……ブルーファイア!?」
「! りんこ!! おい待て、彼女が部屋の主だ!」
「……あなたがこの部屋の住民ですか?」
「はあ」
「警察です。恐れ入りますが鍵を見せてください」
「(知ってるこれ慇懃無礼ってやつだ)はあ」
「……たしかに合ってるな。あなたこの男とどういう関係?」
「えっ」
「恋人?」
「ちちちちがいます!」
「おやちがうの」
「お、お隣さんです」
「りんこせめて幼なじみだという説明を! 頼む!」
「? ! なんでブルーファイアに手錠かけてるんですか!?」
「下着泥棒の現行犯逮捕」
「濡れ衣だ!」
「雨だけにってか?」
「ああっそういえば洗濯物!」
「…すまない驚かせたな」
「ううん(ビックリしたけど)。ブルーファイアが取り込んどいてくれたおかげで明日も服着て出勤できるよ」
「……(ため込みすぎだと怒る気力もない)」
「でもまさかベランダ伝いで乗り越えてまで洗濯物回収してくれたなんて」
「すまない。困るだろうと思って、ついな」
「うん、ブルーファイアがいなかったらすごく困ったよ。ごめんね、ありがとう」
「いいんだ」
「でも、その……下着泥棒に間違われるなんてね」
「まあフェンスまたぎ越して男が女性の洗濯物を持って行ったら、そう思われても仕方がない。うかつだった」
「……」
「りんこ?」
「あの、これ」
「鍵? …………まさか!?」
「うん、私の家。もしまた何かあったら」
「いや! その、だが、しかし!」
「必要なければ使わないんで良いから。持っていて」
「……」
「ね、私も安心だし。お願い」
「……わかった」
「ありがと」
「余計なお世話かもしれないが、あまりみだりにこういうことをするのは」
「しない。ブルーファイアだけだよ」
「……!」
「(そんなに驚く…?)」
一撃