「すごそう」
「なにが? 主語がないとわかんないよサイタマさん」
「クリスマスだろ。プレゼント」
「誰の?」
「お前ら。ほらテレビでやるじゃん。うん万円かけて船で飯食ったり」
「客船ディナーとかって言ったげてよ、屋形船想像しちゃったよ…。そんなのしたことないけど」
「へー。じゃあなんかフブキが持ってるようなブランドのバッグとかなんか宝石ついた指輪とか」
「もらえないよそんなの! 泣いて返すよ!」
「なんでだよ泣くことじゃないだろ…」
「あのね、何度も言ってしつこいけど」
「はいはい隣人隣人」
「……覚えてるんじゃない」
「……まあいいや。でもくれそうじゃんアイツ」
「……くれそうだね」
「くれたらどうすんだ?」
「どうしよう……」
「貰えばいいじゃん」
「だめだよ、いずれブルーファイアの恋人とか奥さんになる人に悪いよ」
「…………あー…まあ、いいや。去年はなんか貰わなかったのか?」
「紅茶とお茶菓子の詰め合わせ。一昨年はハンカチ」
「あれ」
「あれって?」
「意外と普通だな」
「ちなみに私の方は財布と腕時計ね」
「普通だ」
「でしょ? だからね、みんなが言うようなあれじゃないからね、私たち」
「りんじんりんじん」
「幼なじみ」
でもたぶんブルーファイアの部屋には渡しそびれたアクセサリーとかあるし茶も茶菓子もハンカチも目ん玉飛び出す値段。
一撃