「あっ、モンブランの気分」
「どんな気分だ。さっきやきいも食ってたよな」
「春眠は暁を覚えないし秋の食は満腹を覚えない」
「ていうかお前太った?」
「うっ、…やっぱり? 制服のワンピース、背中のファスナー上げるのに苦労したんですよね」
「食い過ぎ」
「反論の余地がない。でも食べるのやめるのって地獄じゃないですか」
「運動すれば?」
「うっ、やだなあ。……でも、うん。そうですね、ジョギングから始めます」
「よしいくか」
「あれ、サイタマさん一緒に走ってくれるんですか?」
「おう。ていうか日課だし」
「……ちょっ、とま、」
「おいまだ走り始めて三キロちょいくらいだぞ……」
「なんか……さむ……肺、痛い……!」
「わかったわかった休憩な」
「家でできることにします」
「諦めはえーな!」
「寒さは故障の元らしいですし!」
「じゃあ筋トレするか。腕立てから」
「ラジャー」
……
「なあ女ってみんなそんな感じ?」
「うううう」
「腕立て十回できないとかマジで予想外なんだけど」
「どう上げ下げして良いかわかんない……」
「腹筋もスクワットもできないんだな……」
「サイタマさんって強くなるためのトレーニング……」
「ランニング10キロ、腕立て腹筋スクワット100回ずつ」
「初日から?」
「きつかったけど一応」
「サイタマさんが最強になれた理由わかる気がしましたとさ」
「とっぴんぱらりのぷう。でお前どうすんの?」
「とりあえずおやつやめます」
春の就職に向けて体力錬成やってますけど毎日10キロラン、百回筋トレできるサイタマさんの才能は半端ないと思うんだな!
一撃