「手を出されたい」
「は?」
「ぶっちゃけエロいことしたい」
「……おいあのクソ弱そうなヒーローとか」
「ブルーファイアは弱くないもん。ソニックちゃんが強すぎて早すぎて綺麗すぎるだけだもん」
「(……!!)、いや違う。なんだお前、その、あの、あいつと、なんだ」
「ソニックちゃんが歯切れ悪いと不思議な感じがするね。そりゃしたいよセッ」
「ばかっ!」
「ふぐぐ、ほっぺた圧迫するのやめてよう。……ねえ、ソニックちゃんは未経験なわけじゃないんでしょう」
「当たり前だろうが!」
「じゃなんで怒るの二十も半ばだよ私達。女子とか名乗ると世間の目が冷ややかなんだよ、知ってた?」
「知るか」
「そんな言い年の女同士がセ「わーーーーーーー!!」スの一言にどれだけ動揺してるの……」
「ばか!! 生娘が変な言葉を使うな!!」
「きむ……いや間違ってないけど」
「時間帯を考えろ!」
「もう夜だけど」
「む」
「ソニックちゃん変」
「変なのはお前だ! い、いきなり……その……事を致したい……だと……!?」
「色々ぼかすね。らしくないなあ」
「お前こそらしくないぞ。そういう話題は……」
「だって」
「だってなんだ」
「だってさあああ」
「さっさと言え」
「好きな人がずっと傍にいてくれて、しかもすごく大事にしてくれてるんだよ」
「……」
「私欲張りだから。もっともっとって際限なく求めちゃう。傍にいるだけじゃ足りないって、最近、思う」
「……」
「ソニックちゃんだって好きな人とエロいことしたいでしょ」
「エロッ……!? やめろ! なにか別の言い回し探せ!!」
「例えば?」
「想い人と睦言を交わしたい……とか」
「嘆美!? え、ソニックちゃんいつそんな叙情的な恋愛してたの教えてよ言ってよ!」
「いや俺の話じゃない。例えだ例え。俺は恋愛なんぞしない」
「……へえそれで非処女」
「りんこその目つきやめろ」
「ふーんだバカ。びっち」
「やめろ違う」
「しのびっち」
「本当にやめろぶちのめすぞ」
「あ、ごめん怒んないで顔恐い」
「……お前が大事だから手を出さないんだろう」
「そうかな」
「そうだ」
「すごい確信持って言うね」
「……そうだな」
「そっか、そうだよね、うん」
「決まってる」
(だって自分がそうだったから)
一撃