▼ブルーファイアと子猫ともしもし主



○ブルーファイアが猫を拾って帰ってきよった

「弱い者に手を貸すのがヒーローのつとめだからな」
「……」
「シャー!! にゃー!! しゃーーーー!!」
「だから、イッ、そのだな、この雨の中で震えていては見過ごすなどアダダ、できないだろうっ噛むな!」
 がぶがぶがぶ
「……これ、タオル、使って」
「ありがとう。その、りんこ」
「……」
 がりがり
「猫はきらいだったか?」
「そういうわけじゃないんだけど……」
 がぶがぶがぶ
「(めちゃくちゃ噛んでるし)(それでも先に猫拭いてあげるブルーファイアが尊すぎる…)(タオルもう一枚持ってこよう)(……猫に嫉妬するようではこの先…)……ううう」
「どうした!?」
「なんでも、ない(ブルーファイアに恋人ができたらとか考えるとどうしてもさ…!!)」




○抜かりなく獣医に寄ってきた模様

「あっ、こら俺を噛むんじゃない。スポイトを、俺の指じゃない!!」
「しゃあーーーーー!!!」
「(これ以上ブルーファイアの指を噛ませるわけには)わ、私やる!」
「! いいのか。……うまいものだな」
「スポイト押しつけてむりやり飲ませてるだけだけど」
「俺にはできなかったが」
「痛くない? 噛まれたところ」
「問題ない」
「ひっかかれたところも?」
「問題ない」
「(でも威嚇されたことは気にしてるんだろうなあ)」
「(懐くだろうか……)」




○目が覚めたら目の前に血塗れの手があった byりんこ

「邪魔するぞ。りんこ、今日の夕飯は、」
「……」
「寝てるのか。…なんだお前も一緒か。仲良しになったな」
「かーっ!!」
「……俺には懐かないんだなお前。一向に」
「かー! しゃーっ!」
「……(無言で手を伸ばして)」
「!!」がぶり
「イッ、」
「ん……? !! こらやめろバカ! ブルーファイア噛んだらだめっ! ハウス! ハウスッ!!」
「うるる…」
「甘えた声出してもダメ! ハウス!!」
「犬じゃあるまいし…」




○さよならさんかくふたりおちこむ

「里親見つかってよかったね」
「ああ」
「あっ、ごめんぶつかっちゃった腕」
「いや、大丈夫だ」
「…。うん、優しそうな人が貰ってくれたし、まあすぐに懐いちゃうんだろうね。猫、飼い主代わっても気にしないって言うから、だから、大丈夫」
「ああ」
「……最後、なでさせてくれたね」
「…あいつ、ちゃんと、ふっくらしてたんだな。出会ったときは震えてぺしゃんこだったのに」
「あ、またぶつかっちゃったごめん。……ねえ、どこかおいしいもの食べに行こうか」
「…ああ」

一撃

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