▼ブルーファイアともしもし主で青い花パロディ

クソパロ小ネタ

・青い花のワンシーンをパロディ
・かわいいJKの百合という醍醐味を軒並みぶっつぶしたクソ改変
・あーちゃんがブルーファイアでふみちゃんがりんこ
・ブーちゃん……!?(ばくしょう)
・青い花を多分知らなくても読めるはずです多分






 なぜケンタッキーなのか。
 そういう文化なのだから、仕方ない。


「メリークリスマス! かんぱーい!」


 元気のよろしい、というかすでにうっとおしいテンションのりんこが殴りかかる勢いでコップを突き出す。ほれみたことかさっそくこぼしたぞ。
 ブルーファイアが静かに応じた。グラスが鳴る。
 それなりのお値段のスパークリングワインなのにぱっと見シャンメリーだ。日常使いのコップなんて使っているせいだ。薄赤い中に気泡が細かく上昇する。


「メリークリスマス。呑む前からハイなんだな」
「クリスマスだから」
「クリスマスだからか」


 よくわからない。そう思ってなお否定しないブルーファイアは偉い。


 ケーキに襲いかかりワインもしこたま呑んだ。ペースをあわせていたのだから呑んだ量は同じだというのに、なぜりんこは赤く顔を火照らせて視界もフニャフニャでブルーファイアはけろりとしているのか。
 酒の席なんてそんなもんだ。


「ブルーファイアはお酒が強いんだね」
「そうか。あまり飲んだことがないからわからないが」
「お酒……」


 へぼな呂律なくせに、ふいにりんこの口調が力強さを増した。


「お酒のちからをかりていいますけど!」


 なにを。

 唐突な酔っぱらいの凶行にブルーファイアがどこか身構える。が、りんこは思考回路に突如出現した桃色のもやに脳みそショッキングなピンクに染め上げている。要は周りなど見えちゃいない。

 ふにゃふにゃとちゃぶ台に身を隠すようにうずくまって、もう絞り出すような声で、


「ブルーファイアが好きです…」


 顔を両手で覆う。
 でも耳はむき出しだ。
 真っ赤じゃねえか。

 りんこが顔を逸らしていてくれてありがたいとブルーファイアは思う。自分だって人のことをとやかく言える顔色では、あるまい。

 慎重に腹の底へ息を吸った。声を出すのに震えないように。裏返らせないように、


「……知ってる」


 奇妙きわまる空気。およそ自分たちに似つかわしくない茶番じみた甘い問答がそこにある。
 りんこの追撃。

「ブルーファイアは私のこと」わざわざ言葉を切って、身を起こして、顔まで上げて、「スキ?」


 尻の下がむずがゆい。


 今すぐ立ち上がって走り出して誰も知らない所へ行きたい。意味を持たない雄叫びをあげて衝動を吐き出したい。

 酒気以外に顔を真っ赤にして、りんこがじっと見てくる。
 観念した。
 額をがり、と掻いてなんと言うべきか言葉を絞る。


「…………す、きだ」


 それでも数秒のタイムラグが必要だった。目も逸らした。言葉も切れた。
 照れくさい。恥ずかしい。本当に勘弁して欲しいというのに、


「好きだと、前にも言ったじゃないか」


 りんこがそんな満面の笑みになるから、たまらない喜びだって自覚している。
 かゆい。
 どこかが。


「でも、」


 さらなるりんこの猛追、は、酔っぱらいにありがちな急ハンドルでトーンを変えた。
 

「ブルーファイアの好きは、なんか、わたしとちがう、好き、な、気がする」
「は?」

「私の好きは」

 正体も理性も失いかかったよっぱらいの瞳は暗く濡れている。

「わたしの、すきはね、」

 汗塗れでいつのまにか正座していたブルーファイアの目の前に突き出された指先は小さなCの字を作っていて、


「ちょ〜〜〜っとだけ、エッチな意味が含まれる好き、なんだよね」
「えっ」


 えっの後のちは出てこなかった。ブルーファイアは純情であった。
 りんこは俺と、そういう想像をするのか。

 自制心がきしんだ音を立てる。

 ブルーファイアは、そういう妄想に、そういう、ばかげた妄想で、りんこのことを汚してしまっては、絶対になにがあってもいけないと、ぐっと殺してきたというのに。
 紅潮したほっぺたを玉の汗がしたたり落ちていく。


「それは、どう、いう、」


 さらなる酔いどれの急ハンドル。


「ケーキもいっこ食べよう」
「……好きなだけ食え」


 ホールケーキを押しのけて煩悶するブルーファイアに、ケーキナイフを一人で入刀するりんこの呟きはちゃんと届いた。


「もし違っててもやっぱりきっと好きだと思うの」






 志村貴子先生の言葉選びとかシチュエーションとか線の書き方とか白さのバランスとかほんっっっっっっとすき……(エッチな意味を大いに含む)
 ごめんくそ改変パロディ前からやりたかったんだ…(後悔も反省もしてるけどまたやる)

一撃

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