▼妹とブルーファイアと

「あっあの! ブルーファイア先輩はパイロキネシスなんですよね!!」
「……」(種も仕掛けもあるのだと言うべき、か? いやしかし自分の手の内を見せるのは危険だ……が、やはりだましているようで気が引ける。今まで運よく誰からもその辺りの仕組みを突っ込まれずに来たわけだが本当のところを言ったほうがいいのか)(逡巡)
「ぜっぜひ見せていただけないでしょうか!」
「……」(インチキだって思われたらショックだ)
「わ、私異能力兼ヒーロー活動愛好会の会長なんです! うちのお姉ちゃん達はサイキッカーなんですけど発火能力はないみたいで、もしブルーファイア先輩がご迷惑でなければ…」
「……」(どうするべきだ)
「(わくわく)(どきどき)(きらきら)」
「……」



「おいテジナーマン、助けてやら無くていいのか」
「どっちをだ、フンドシ?」
「ブルーファイア」
「うーん、実はコガラシさんとあまり仲がよくないというか」
「なぜだ、お前も彼女も穏やかなタイプではないか」
「手品師には種と仕掛けを巧妙に隠したトリックを超能力と称して披露する輩がいるから心象がよくないんだろうね。…ブルーファイア、滝のような汗だ」
「ああ、しかし我々には見守ることしかできん」
「うん」

一撃

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テーマ「人外ファンタジー」
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