▼磯貝くんと幼馴染み 前原くんは今回不在

「おっそいよ悠馬!」
「はっ、え!? 名前なにしてんだよ! なんで浴衣!? いや今日祭りだからいいんだな! でもなんで鍋!? カレーの匂いがするな! 前原との約束は!?」
「前原くん…? いや、誘われた時点で断ってる」
「なっ、」
「なんでもへちまもくそったれも。お祭りは磯貝兄弟とって、決まってるのよ」
「おにーちゃーんゆかたー」
「にーちゃん早く行こー!」
「ほらチビが呼んでるわよ。さっさと帯しめて来て」
「……」
「なにその顔」
「前原はさ、確かに女子との噂は多いけど、一人ずつちゃんと好きになって付き合ってる」
「知ってる。あのこいい子よ。嫌いじゃない」
「……」

「おにいちゃ…おなかいたい?」
「っ、いや、ちがうよ。なんだもう浴衣着せて貰ったのか」
「名前のお姉ちゃんがね、やってくれたよ。髪も」
「そっか……うん、うん」
「悠馬早く早くっ。夜ごはんはカレー作ってきたからね、屋台ではお腹一杯にしちゃダメだよ。帰ってきてご飯だから。ねえ、お祭り逃げない内に早く行こう!」
「逃げないだろ! はしゃいでるな、いつもの落ち着きはどうしたんだよ!」
「祭りにははしゃがずいられないわ!」



「カレーうまい」
「ありがと」
「……」
「どしたの、辛かった?」
「名前ちゃんうちのこになりなよ」
「っ!?」
「はい悠馬水」
「お兄ちゃんと結婚すればいいよ!」
「っ!?!?!? げほっごっほ!!」
「はい悠馬布巾」
「ねー名前ねーちゃん」
「そうだね、悠馬の次第かな」

「っ、」

「明日金魚汁いただきに来るから、そのときでいいわよ」
「……な、ななななにが」
「プロポーズ」

暗殺

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