シン・ゴジラのゴジラ第2形態こと蒲田君を愛でるハッシュタグ、#平和なシンゴジラに影響された影響された
小さい蒲田君をペットのごとく愛でるだけ
思い立って、風呂に水を張ってから塩を入れた。
「蒲田君ー」
呼ぶとすぐどたどた足音がした。しばらく待っていると体を左右にくねらせて歩く蒲田君が風呂場に入ってきた。立ち止まる。
ん?
という顔をしている。
ように見える。
正直言って蒲田君の表情の機微などわかりはしない。適当にあたりをつけただけだ。
大きさは猫くらいなくせに腰に来るくらい重たい。ちょっと気合いをいれてから抱き上げた。
即席過ぎる海を見て、蒲田君は一瞬呆気にとられ(たように見える)、すぐさま早く早く(と解釈した)と足をバタつかせた。ゆっくり水に入れるつもりだったが、待ちきれなかったようで腕を振り払うって水中へと飛び込んでいく。
すぐさましっぽだけが飛び出して来た。
ぐるぐるぶんぶん振り回している。
ご機嫌だ。多分。
こんなウケるとは思わなかった。
「こんなせせこましい海でもいいのか君は」
どうなんだか、蒲田君はしっぽをぶんぶんさせただけだった。
水にぷかぷかするアヒル隊長も居たので浮かべてみたところ、しっぽで弾き出されてしまった。
気に入らなかったのか。
そう思ったがむしろ逆らしい。しばらくして水面に顔を出した蒲田君は、タイルにすっころがっているアヒル隊長をじっと見、私を見、またアヒル隊長を見る。
はいはい。
アヒル隊長を拾い上げるともう蒲田君は水の中に潜っていた。
ごめん隊長。
ぷかぷかさせるとすぐさましっぽが伸びてきてぼうんとアヒルを弾き飛ばした。
しばらく同じ事を繰り返して遊んだ。
蒲田君がザバンと顔を出して私を見る。相変わらず腐った魚みたいな濁った目をしていて始めてみたときには底知れぬ恐怖を覚えたものだが、もう慣れたのでなんとも思わない。
心なしかうれしそうだ。
うん、多分うれしいんだろう。
「海にはつれてってあげらんなくてごめんね」
蒲田君はしっぽをぶんぶんさせただけだった。
(そして赤色まみれになった風呂掃除に追われる主人公)
(一般ピーポーの主人公と小さな蒲田君のどうでもいい日常)
シン・ゴジラ