▼プロデューサーさんとブラジャー 文+絵

※メンズブラネタ





 クソ真面目もここまでくるか。


 プロデューサーが必死に言葉を選んでいるのだけは感じ取れた。わたわたしている。焦っている。
 そりゃそうだろう。
 私の目は未だワイシャツの下に釘付けになったままだ。どうしても反らせない。凝視するだけただでさえ口べたなプロデューサーは一層言葉を無くしてしまう。顔面に浮いた汗は夏の暑さだけが原因ではあるまい。
 ジャケットをうっかり脱いでしまったばっかりに。
 ワイシャツの下、タンクトップのたぐいをたまたま着忘れたのだろう。うっすら見える肌の色と、ショッキングなピンクの、


「透けブラ……」


 まごうことなくブラジャーだ。



 すみませんの連呼を抜けて、ようやく聴取した事情をまとめると大体こんな感じだ。

 幾度となく女性の心というわけのわからんものに振り回されてきたプロデューサーさんだった。どうにか女心という物を理解することができないものか。よほど思い悩んだんだろう。ネットで見かけたメンズブラの、「女性の気持ちがわかるようになった」などという眉唾広告文句に飛びつくくらいなのだから。


「女心わかるようになった?」
「あまり……」
「まあ、だよね」


 あれ、でも着け続けてるんだ?
 疑問は顔に出ていたのだろう。


「つけていると安心感があるというか……」


 そんな言い訳のように言わなくたっていいのに。
 しょぼくれた顔なんてしなくていいのに。


「すみません。見て気持ちのいいものでは、ありませんでしたね」
「あの、プロデューサーさん」
「はい」
「いいじゃありませんか」
「!」
「下着くらい好きなものつければいいんですよ。誰にも言いませんよ」
「……ありがとうございます」


 頭なんか下げられては面映ゆい。


「あ、でも」
「はい」
「ワイシャツの下に一枚なにか、着た方がいいです」
「……はい」


 照れ顔は、なかなかレアだ。






(すみませんすみません)(某メンズブラショップで「女性の気持ちがわかりたいから着けてる」って言葉を見かけて…!)(あ、Pにぴったりやんけって…!)(Pはあくまでくっっっそ真面目です)(あとレビューの、「着けてる日は安心感が違う」って言葉になんか萌えてだな)(デレマスのPはガチ)(あの感じはすごい)(すごい)

デ/レ/マ/ス

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