▼サレ臣のボツ一話

※名前固定
※視点が夢主
※ていうかそもそも本採用の夢主とは別人
※烏間が教師やっていることを知っているなど設定も違う
※そしてたいした内容はない







 烏間君との通話が切れた。

 都合のいい女はこうして量産されるのであった。まる。

 まあ行くんだけどね。よいこらどっこいしょと立ってパジャマを脱いで化粧をする暇がないのですっぴんで、コートをひっかけカバンをつかんで、目指すはロイヤルホスト。
 正確に言おう。
 かわいそうな烏間君が待っているロイヤルホストだ。

 そうだ、まず烏間君とは誰か説明しないといけない。
 名字は烏間、名を惟臣。男性、二八歳、幹部自衛官で階級は知らない。尉官以上であることは確かだけれど。えーっとつまり若くて偉い。すごい。まあ高校生の頃からすごい奴だったし。
 厳つい顔したムキムキ系統のイケメンである。

 最近は中学生に体育を教えていると言っていた。
 うん。意味わかんない。

 まあいい。湿り気を帯びたお話が終わったら最近の若い者の話でもして頂こうと思う。
 今回の本題はそこではないのだから。

 烏間惟臣、二八歳で幹部でムキムキイケメンでも、欠点はある。
 彼は、サレ男だった。
 世界ランキングを作ればかなり上位に食い込む、ハイパー絶望的サレ男だ。

 サレ男とはなにか。

 浮気「サレ」る「男」。
 な? 単純だろ?
 ネーミングはしょうもないくせに事態はわりかし深刻だ。なにせできた彼女が次から次に浮気するのだから。プライドなんかぼろ雑巾だろう。
 毎回真剣に交際するのに、彼の彼女は必ず浮気に走る。多分烏間君が激務な上にお堅い性格でかつクソ弩級に鈍感なことに起因するのだろうがそんなもん言い訳だろう。クソビッチどもがクソが。寂しかったならちゃんと別れてから別の男作りやがれ。烏間君が女性不信にでもなったらどうしてくれる。

 男に走ったりしたら目も当てられない。
 なぜ目も当てられないか?

 ……私が烏間君ラブだからに決まってんだろ言わせんな恥ずかしい。
 うけるー。
 その期間、なんと十年越え。
 ちょーうけるー。
 ちなみに今まで烏間君が好きすぎて恋愛経験ゼロだったりする。つまり二八歳独身、恋愛経験クソゼロのクソ処女こそ、私だ。
 やばーいまじうけー。ていうかストーカーじゃーんこわーい。

 そう。自分でもこの執念こわいなーと思う。ていうかきもい。いやこわいしきもい。これだ。
 こわいしきもい私が、なぜ烏間君に深夜のラブコールを貰ってのこのこお出かけするのか。
 烏間君にいやらしい意図はないよ! ……べ、別に泣いてなんかないんだからね!!

 終電を逃したスーツのおじさんやカップルがちらほら散見されるロイホに入り、こちらを見上げてどうにも情けない顔で笑う烏間君と目があった。


「雉島、」
「おひさ」
「ああ」


 そんなしょぼくれた顔するなよ。


「……お客様相席よろしいですか」


 ふっと吹き出し笑いをひとつ返してから、「相変わらずだな」


 そうだね。
 相変わらず懲りもせず、私は烏間君に恋をしている。

暗殺

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