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思わず漏れてしまった小さな溜め息に気付いたらしい琉夏くんが、ノートの端にさらさらっとペンを走らせる。


――どうしたの?なんかあった?


なんかあった、っていうか……なんかあります、っていうか。
この状況に対する溜め息なんです……。


琉夏くんを横目でチラッと盗み見る。
前を向いて黒板の方をじっと見つめているその横顔は、綺麗な金髪に隠れてしまってそこから気持ちを読み取ることは不可能だ。


私の頭の中は、琉夏くんのことばかりでいつもいっぱい。
頭の中だけじゃ収まらなくなって、いつか身体中の穴という穴から溢れ出てしまうんじゃないかって、バカみたいだけど本気で心配してしまう。

でも、そんな私をよそに琉夏くんの態度は常に同じで。
ドキドキしてるのも、何も手につかなくなってるのも私だけだと思うと……まあ当たり前なんだけどやっぱり何だか切ない。

これって俗に言う一人相撲ってヤツだよねぇ。

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