▼ 不二山・新名プレゼン 「えっと、それではプレゼン始めます」 嵐さんとあーだこーだ言いながら、10分以内でなんとかデートプランをまとめ、いよいよ発表する時間となった。 発表するのはオレ。 最後まで誰が発表するかで揉めたけど、嵐さんをなんとか説得してこの場に立っている。 嵐さんには、要所要所で一言を発してもらった方が効くからね。 オレって結構策士なんです。 それに……美奈子ちゃんとクリスマスを過ごすためには、この戦い絶対に負けらんねーの! 美奈子ちゃんが見てる前できっちりプレゼンして、デキる男なんだってトコをアピールしなきゃ! ……その後方に控えて目をぎらつかせている金髪の人とリーゼントの人にビビるな、オレ! 「ま、まずは、美奈子ちゃん家で待ち合わせして……」 黒板にデートプランを書いていって順を追って説明する。 「え、超フツーじゃん」 「ククッ、ガキじゃあるまいし」 なんて、声が時折浴びせられるけど…。 美奈子ちゃんが気に入って選んでくれればそれでいいの! あの人たちの声なんて、聞こえない聞こえない……。 「商店街でショップ巡り。で、その後ボウリング場に移動してボウリング」 美奈子ちゃんとのクリスマスデートを実現するためには、嵐さんと協力してまずこの第一関門のプレゼン突破しないと。 でも、ショップ巡りやボウリングで嵐さんを出し抜いて…美奈子ちゃんにアピールする気なんです。 …嵐さんごめんなさい。 ショッピングっていう俺の得意分野で嵐さん出し抜きます……! そして、今まで何度対決しても勝敗がつかなかったボウリング対決で、今度こそオレが勝つんだから。 「クリスマスの仕上げに、はばたき山に移動して山から見える家々のイルミネーションを見て、美奈子ちゃんを家まで送ります。以上、これがオレらのデートプランです。美奈子ちゃん、何か質問ある?」 「はいはーい」 |