Xmas | ナノ
1
桜井琉夏・琥一ペア

いよいよ俺らの発表の時となった。
と、その前にコウに強力なアドバイスをしておかなきゃ。

「コウ、ちょっと耳貸して?」

んだよ、気持ち悪ぃな、なんて悪態をつきながらも少しだけかがんで俺の顔の高さに合わせてくれた。

そう、こういうさりげない優しさ。

こういうのが、女子的にぐっとくる『ギャップ萌え』ってやつなんだよな?
強面のコウがやるからこそ、ぐっとくる仕草…そしてセリフ。

それが俺らのプレゼンが上手くいくかいかないかのカギになる、絶対に。

爽やか青春デートプランも、落ち着いた大人チックなデートプランも全て蹴落として美奈子に選ばれなきゃなんないんだから!

特に、セイちゃんが考えたあのデートプラン。
金にあかせたデートプランなんて、貧乏な俺達に真っ向勝負挑んだってことだろ?
絶対に負けない。
貧乏人を見くびってちゃいけないよ?


「あのな……」

「ハァ?んなこと言えるかよ!バカか、テメェは」

「言えるかよ、じゃなくて言うんだ。口下手なコウの代わりに俺がプランの発表するんだから、コウもそれくらいやってくんなきゃ。な?」

「……。」

沈黙は了解のしるし。
追い縋るような目をしているコウを無視して、俺は教壇に立った。




1/3
prev | next

[top]
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -