Xmas | ナノ
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オレ、美奈子ちゃんに聞いたのに。
なんで琉夏さんが張り切って挙手してくんのー!?
右腕を綺麗に耳にぴっと付けちゃって。
どこぞの小学生ですか、あなたは!

「琉夏さん、オレ、美奈子ちゃんに聞いて…」

そう反論しようとした途端、琉夏さんの目が異常にきらっと光って、突き刺すような視線を向けてきた。
超怖ぇ!
オレ何か間違ったこと言ったっけ…?

「…る、琉夏さんどうぞ」

「ニーナ、男は素直な方がモテるんだよ?肝に銘じとくように。はい、返事は?」

「…はい」

く、悔しい。
美奈子ちゃんの前で…しかも琥一さんと一緒になってニヤついてるしー!
もうっ、なんなのこの人たち!
絶対に負けたくない…!

「よく出来ました。で、質問…というか確認なんだけど。ホテルにイルミネーション見に行くわけじゃないんだよな?」

琉夏さんの心配そうな声色って初めて聞いた。
なんだ、琉夏さんたちも必死なんじゃん。
そう思うと、なんだかちょっとだけ余裕が出てきた。

ここだ。
嵐さんの破壊力抜群の一言をお見舞いするタイミングは。
ここしかない。

「嵐さん、その点に関して一言お願いします」

「ん?ああ、わかった」

桜井兄弟を始め、玉緒さん、聖司さん、そして美奈子ちゃんも嵐さんの言葉を待つ。

「はばたき山にもホテルあったよな」

「不二山それ…ラブホ……」

よし、嵐さん、グッジョブです!
嵐さんがあまりにも堂々と言うもんだからみんな面食らった顔してる。

あれ、美奈子ちゃんの顔…心なしか赤い?

ちょ、ちょっと!狙ってた展開と違ってきてる…!

「まあ、俺から言うことはそれだけだ。美奈子、クリスマスは俺らと一緒に過ごそう。俺らを選べ、いいな。以上でプレゼン終わります」

俺が慌ててる間に嵐さんに決め台詞全部持ってかれた。
なんか…オレ、色々間違えたかもーっ!

頭を抱えるオレをよそに、プレゼン発表は終わりを告げた。



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