Xmas | ナノ
5

「美奈子…俺らと一緒に過ごしてほしい。……俺らにはオマエが必要だ。お、俺らはオマエと一緒に過ごせるだけで……て、天にも昇る気持ちに…なるんだ。だから、頼む。俺らを選んで欲しい…」

コウが絶対に言いそうにないセリフを、しどろもどろになりながらもちゃんと最後まで言ってくれた。

俺が言ったらそこまでインパクトはなくても、強面のコウが顔を真っ赤にして照れながら言うからこそ、インパクトが大きくなるんだ。

コウ、よくやった…!

弟として、お兄ちゃんをホント誇りに思うよ。


「はい、コウの甘いセリフ攻めも終わったところで終わりたいと思います」

「お、おい、ちょっと待て。甘いセリフ攻めってなんだ」


コウの質問に聞こえないフリを貫き通し、答えを与えない。
あたふたしてるコウを見たら、コウ自身が計算なんて出来るやつじゃないってことが証明できるだろ?

それもまた高ポイントになるはずだ。
俺は手に入れるためなら、使えるものは全て使う主義なんだ。

コウも知ってるよな?

でも、今回は美奈子のことで精一杯で気付かなかったみたいだけど。

「あ、そうそう何か質問ありますかー?」

「はい」

「おっ、ニーナ。俺に質問するなんて意外と度胸あるじゃん。で、何?」

その返答に少しだけたじろいだように見えたニーナも、逃げずに質問してきた。

「……何時くらいに美奈子ちゃんを送り届ける予定なんですか?」

「えー?時間。そんなの決まってないよ。まあ…いつもより遅くなるかもね?楽しい楽しいクリスマスだしね」

にっこり笑ってそう答えるとニーナの顔から血の気が引いて行くのが分かった。

美奈子は俺の答えの意味を文字通りに受け取っていて、全く分かってないみたいだけど。
まあ、それはその時次第ってことでね?

「じゃあ、もう他に質問はない…みたいだね。じゃ、終わりまーす」


さあ、全部のペアのプレゼンが終わったよ?
オマエはどのペアを選ぶ?





3/3
prev | next

[top]
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -