short stories*R-18 | ナノ




「どうしてこんなことに…」

そう呟かずにはいられない。
水着を着て見せないと、琉夏くんはここから出してくれない気がする。あの笑顔…悪魔だ!

「ねー美奈子ーまだー?」

「まだ!まだだから、ちょっと待ってて。」

これはもう着るしかない。



「美奈子ー開けるよ?」

「う、うん。どうぞ。」

了承するや否や、琉夏くんはカーテンを全開にして、はにかんだ笑顔を見せる。

「…眩しすぎる。カワイイ、ちょー似合ってる美奈子!!俺の見立てやっぱ間違ってなかったな。」

「ちょ、ちょっと琉夏くん!見つめすぎ!…恥ずかしいよ。」

「あっ、ごめん。あまりにもカワイすぎたから、ついね。そんじゃ、もう一つの水着も着てみて?」

「分かった。」

さっきの琉夏くんの笑顔に気をよくした私は、言われるがままに次の水着を着始めた。
一着目の水着を着た時の警戒心を失ったままで。

そう、あの顔をされたらいつもすぐに忘れてしまう。
あの悪魔の笑顔の持ち主の本性を。



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