なんだか急にご機嫌ナナメになってしまった美奈子だけど、試着室に連れ込めばこっちのモノ。ねえ、美奈子。なんで俺がここに来たかったか分かる?
「…分かった。着てくるからそこで待っ…ちょ、ちょっと琉夏くん!」
当たり前のように一緒に試着室に入っていく俺にびっくりしてる美奈子。
「あれ?美奈子知らないの?これカップル専用の試着室なんだよ。俺も一緒に入れるの。」
「はっ?えっ?はっ?」
びっくりしすぎたのか、顔が赤くなったり青くなったり、きょろきょろしたり擬音ばっか発したりで忙しい美奈子。
「さあさあ、早くお着替えして俺に見せて?」
「む、無理!絶対に無理だよー!」
「なんで?試着室、二段階式になってるから、なにも皆の前でハダカになれって言ってるわけじゃないし、俺の前でだけハダカになるんだよ?いつもとおなんじコトじゃん。」
「それとこれとは、全然違います!!」
「うーん、美奈子はワガママだなー。分かった、ほら中の待機場所でカーテン引いて待っておくっていうんなら大丈夫でしょ?」
「…絶対に覗かない?」
「うん。絶対に覗かない。俺を信じて。」
とびっきりの笑顔を見せて、美奈子を鏡の前に立たせる。
「じゃ、ホントにそこで待っててよ!覗いちゃダメだよ!」