short stories*R-18 | ナノ




そう言って連れてこられたのは、最近新しく出来たお洋服屋さん。
メールでお知らせが届いてたっけ。
あれ?でもここって…

「琉夏くん、ここ女性物しか置いてないよ?」

「うん、知ってる。ほらほら、俺に付いてきて?」

どんどん奥に進んでいく琉夏くん。
なんで?このお店に来たことあるの?…誰と?
もやもやした気持ちが生まれて立ち止まる。私たち、付き合ってるんだよね?

「美奈子!こっちこっち!早くおいで。」

顔をあげて声のする方向に目をやると、琉夏くんがまるでお花畑にいる王子様のよう。
って、そこのフロアって…水着売り場?!

あわてて琉夏くんのもとへ駆け寄った。

「琉夏くん!なんで水着売り場なんか…。」

「なんでって。今日は美奈子の水着の見立てで来たんだよ。さあさあ、美奈子に似合いそうな水着見立ててあげるから、もっとこっちにおいで。」

「勝手に決めちゃって…水着の見立てだなんて、聞いてなかったんですけど…。」
まだもやもやした気持ちだったせいか、尖った声で答えてしまった。

「あれ?なんだかご機嫌ナナメ?どしたの?」

「…なんでもない。」

「ふーん…そ?あっ、これとこれ!美奈子にちょー似合いそう!あそこに試着室あるから着てみて!」


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