short stories | ナノ


スペシャル・ハッピー・デイ


今日は、年に一度だけ訪れる大好きなコウくんの大切な日。

それなのに、今日はなんだかタイミングが悪くて、コウくんと顔を合わせることが出来ないまま放課後になってしまった。
コウくんの席を確認したら鞄は置かれたままだし、携帯を何度鳴らしてみても出ないし。

「一体どこにいるのよ…。」

コウくんの席に座り、机に突っ伏してため息混じりに呟く。
直接顔見てお祝いを言ってプレゼント渡したいのに。

その時、握りしめていた携帯が淡いピンク色の光を伴い震え出した。
慌てて携帯を確認すると、そこには琉夏くんからメールが届いたことを知らせる画面が表示されていた。

「あ、琉夏くん…どうしたんだろ。」

『迷える美奈子ちゃん、コウは見つかった?
あのさ今思いだしたんだけど、もしかしたら保健室にいるかもよ?
最近、暑くなってきて屋上では寝れないって言ってたから。
それに授業中の保健室の窓はガードが緩い、って言ってたし、多分そこだよ。
まだ見つけてないんなら、さっさと行っといで?
健闘を祈ってるよ。じゃあね』

琉夏くんからのメールを読み終わると同時に足は保健室へと向かっていた。
保健室か…盲点だった。
だって前に、保健室の先生がうるさいから保健室では寝ない、って言ってたのに。
いつの間にポリシー曲げたのよ。

とにかくもうそこしかない。
氷室先生に見つかったら怒られると思いつつ、猛ダッシュで保健室へと向かった。

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