short stories | ナノ


crazy for you-琉夏ver.-


ずっとくっついていたんだ、美奈子に。
いつだってどこでだって何してたって、ずっとずっと。


「もうっ!琉夏くん、ご飯作ってるんだからちょっと離れてて。危ないでしょ。」

「だってずっと美奈子にくっついていたんだもん。ダメ?」
美奈子の細い腰にまわした腕をぎゅっと強める。

「ダメ?じゃないでしょ。もうっ、ご飯食べれなくていいの?」

「それは困る。でも、美奈子から離れるのもイヤだ。ねえ、どうしたらいい?」

「もー、琉夏くんったら。分かった。ねえ、あと10分で作るって約束するから、その間だけちょっと離れてて?」

「うーん、分かった。しょうがない、10分だけだよ?10分で作り終わらなかったら、もっとまとわりつくからね?」

「ありがと!じゃ、張り切って作るからそっちで待っててね?」

そういって柔らかな笑みをたたえた美奈子は、料理を再開した。


くるくる動く美奈子を見てるのは楽しい。
作る順番を考えるときに小首をかしげながら考えるクセ。
ひらめいたときにぱあっと花が咲いたように笑みを浮かべるクセ。
そしてなにより好きなのは…


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