short stories | ナノ


ベストバランス


キーンコーンカーンコーン……


「美奈子、屋上の場所取ったから一緒にご飯食べよ」

「早くしねぇと置いてくぞ、コラ」

「あーっ!ちょ、ちょっと待って!」


4校時終了のチャイムが鳴り終わる。

それと同時に、廊下でにっこり笑いながら手招きしてるルカちゃんと、置いてくなんて言いながらちゃんと待ってくれるコウちゃんの元へと駆け寄っていく。


お昼ご飯は、三人一緒に雨が降らない限り屋上で食べるのがいつもの習慣。


「はい、これがルカちゃんのお弁当でこれがコウちゃんのね」


肉や魚を形のまま食べる二人の食生活に、
「これじゃ栄養偏っちゃうよ?ちゃんと野菜も食べなきゃ」
なんて口を出したのが運のつき…もとい、始まりだ。

「なら、美奈子お弁当作って?」

「だな、俺らに野菜食わせたけりゃオマエが弁当作って来んのが一番だ」

「ええー…」

「美奈子、お願い」

「よし、決まりだな」


それから毎日、二人のためにお弁当を作ることが私の日課となった。


よくよく思い返してみれば、その時二人は意味深な笑みを浮かべてた。

正直、嵌められたと思わなくもなかったけど。

目の前で美味しそうにお弁当を平らげる二人を見たら、そんなことどうでもよくなった。

-1/4-
prev next

[return]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -